2023年3月28日(火)、フランス国立統計経済研究所(インセ:INSEE)は、2022年の財政赤字がGDPの4.7%だったと発表しました。2020年のコロナ禍で9%にまで膨らんだ財政赤字は2年間で半減したと、ブリュノ・ルメール(Bruno Le Maire)仏経済相は成果を自賛しました。フランス政府はさらに、2027年までに赤字を3%未満に抑えることが可能であると予測しています。
節約財政と経済成長、2022年の財政赤字4.7%で大幅に改善
インセの発表によると、コロナ禍の2020年にGDPの9%だったフランスの財政赤字は、2021年に6.5%、2022年に4.7%と減少を続けています。
公的債務は、2020年にGDPの114.6%だったものが、2021年に112.9%、2022年に111.6%とわずかながらこちらも減少しています。
ルメール経済相は、「2022年は堅調な経済成長のおかげで税収が増加し、公的債務の圧縮に貢献しています」とツイートし、同年の目標であった「財政赤字をGDPの4%〜5%以内におさめるという目標を達成した」とコメントしました。
また、2027年にはEUが定める、加盟国の財政赤字GDP3%以内という目標達成を目指すことを明らかにしました。
2022年の財政赤字額、対前年比で増加
フランスの公的債務はコロナ禍で大幅に増加しましたが、その影響が薄れた昨年、今度はロシアのウクライナ侵攻によるエネルギー高、インフレで物価が高騰し、政府は各方面で援助を行っています。
そのため2022年の公的債務額は、前年対比で1264億ユーロ(約17兆9,284億円/1ユーロ=約142円) 増加しており、実に2兆9500億ユーロ(約417兆8000億円)にも上っています。
しかしながら、2022年の経済成長率が2.6% だったことから、対GDP比で見るとその割合が減少しています。
コロナ禍前の回復には道半ば
過去3年間の数値だけ見ると、確かにフランス財政は、企業や雇用維持、低所得層をはじめとする家計に手厚い援助を行ったコロナ禍を克服し、健全になってきたかのように見えますが、2019年、コロナ禍前の公的債務はGDPの97.4%と100%を切っていました。
財政赤字の方も3.1%とほぼEUの基準を満たしていました。
「ない金で暮らす?」フランス国民
フランス会計監査院(Cour des comptes)はこれまでも再三にわたり、 フランス国民は「ない金を使って暮らしている」と財政赤字を減らすよう警告してきました。
他国から見ればうらやむような失業保険や医療などの手厚い社会保障制度、多すぎると指摘される公務員の数など、これまでも是正や改革の必要性が叫ばれ、一部は実行されてきました。
「財政赤字の改善」の名の下に年金改革、国民は猛反対
先日強硬採択された年金受給改革も、その一環としてマクロン政権は必要性を強く主張してきましたが、本日も10回目の反対ストが行われるなど、国民が納得する様子は見られません。
金利上昇も足かせ
さらにインフレによる最近の金利上昇も、赤字財政健全化の大きな足かせになっています。
支払い金利は、フランスの歳出のうち最も多い国民教育省(Education nationale)の次に多い歳出になっています。
執筆:マダム・カトウ