フランスで続く年金改革反対スト 11日デモ行進、16日5回目のスト 進まぬ国会審議

2023.02.10

2023年2月10日(金)、フランスの年金改革、とりわけ受給開始年齢の62歳から64歳への引き上げに反対する4回目のストが今月16日(木)に行われます。さらに明日11日(土)、全国で大規模なデモ行進が予定されており、パリではデモ隊がリパブリック広場(Place de la République)を13時にスタートします。1月末に始まったストは3月7日(火)にも行われることが決まっており、今のところ終結の見通しは立っていません。

 

11日のデモ、パリ13時リパブリック広場スタート、19時ナシオン広場

明日、4回目となるデモ行進が行われます。リパブリック広場からヴォルテール大通りを経て(boulevard Voltaire)ナシオン広場(place de la Nation)まで、パリ東部の交通が大幅にブロックされます。

土曜日に行うことで、平日に参加できない一般市民がストライキ(減給になるため)をしなくてもデモ行進に参加できるよう配慮されています。

パリ地下鉄、閉鎖駅に注意!

学校が冬休みに入るとあってか、明日はフランス国鉄のストは予定されておらず、パリ地下鉄(RATP)も大幅な間引きなど、ダイヤの乱れはないと発表されています。

ただし、デモ行進の通り道、および周辺の地下鉄駅は閉鎖されるため移動には注意が必要です。

 

度重なるスト、進まぬ国会審議、マクロン大統領「冷静に」

2期目の大統領選の公約であった年金改革への国民と野党の猛反対について、マクロン大統領はこれまでほとんど発言をしていませんが、昨夜、ブリュッセルにて欧州会議を前に行われた記者会見での質問に、「組合はフランス国民の日常生活を阻まないよう、責任感を持って行動すると信じている」と発言しました。

大統領は、度重なる交通ストで国民の生活に支障が出ていることを指摘し、デモ行進は「憲法にのっとり、個人およびその資産を尊重するように」と、過激な行動による破壊行為などを牽制しています。

野党の「妨害行為」?で国会審議硬直

また大統領は、国会で本件に関しての議論がつつがなく行われ、「民主主義が正常に機能する」ことを望んでいるともコメントしています。

今週火曜の国会で極左不服従のフランス党(LFI)所属、家庭内暴力で有罪判決を受けた議員が修正案の発表をしようとしたところ、議会はヤジや机を叩く音で騒然となり、退場する議員も出て一時中断しています。

これについて、議論の進行を阻止するための行為ではないかという意見もメデイアに出ています。

不服従のフランス党は改正案の中でも特にフランス国鉄(RATP)や電力業界の「優遇制度」の維持に固執しており、数回にわたり類似内容の修正案を提出しています。

修正案にまつわる出口のない議論で審議は硬直、オリヴィエ・デュソ(Olivier Dussopt)労働大臣が「この修正案はなんの役にも立たない、単なる審議の妨害だ」と発言し、極左党員のヤジに「俺の首でも欲しいのか」と怒りをあらわにしています。

こういった国会における一連の出来事に、大統領は「プロ意識を持って、冷静に議論を」との苦言を呈しています。

 

まだまだ続くスト 3月上旬も

ストの新たな日程が発表になり、つぎは2月16日(木)、3月7日(火)に予定されています。

いずれもフランス国鉄の組合は参加を表明しており、スト予定日の前日の夕方から翌日の朝まで交通は大幅に乱れる予想です。

執筆:マダム・カトウ

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