パリ地下鉄 11月10日スト 「ゼロ メトロ」を宣言

2022.10.25

パリ地下鉄 11月10日スト10月25日(火)、「ゼロ メトロ、ゼロ RER」(RER:イル=ド=フランス地域圏急行鉄道網)をスローガンに掲げ、パリ交通公団(RATP)の5つの組合は11月10日(木)に大規模なストライキを行うと発表しました。

 

11月10日、「ゼロ メトロ」パリの交通完全マヒを狙う

11月9日(水)の夜22時〜11日(金)朝7時まで、パリの地下鉄及び郊外電車RERがストのためマヒします。

パリ交通公団の組合のうちの5つ(CGT、Unsa、FO、La Base)は、給与の値上げを要求するスト決行を宣言しています。組合側の発表によると、2013年から法定のベースアップ以外には給与の見直しが行われておらず、今回のストで「インフレ率に連動した定期昇給」及び「給与ランクの見直し」を要求しています。

「慢性的」運転手不足

さらに会社側に対し、「計画的な採用の失敗により慢性的な人手不足」に陥っており、そのため「運転士への負担は年々増える一方」と、労働環境の改善要求を出しています。

また、待遇が改善されない限り運転士が職業として「魅力がない」ため採用がうまく行かない、という悪循環がおきていると指摘しています。

 

1ヶ月で2回目のスト、フランス国鉄、10月27日にスト再び

フランス最大の組合、CGTは今月18日(木)にもストを行ったばかりですが、27日(木)さらに11月10日にもストを行うと発表しているものの、パリ地下鉄は11月10日のみストを行う予定です。

10月18日のストの動員数は、政府の発表によると10万7000人でしたが、組合側は30万人と発表しています。

ストの効果、テレワークで薄れか?

この日の交通への影響は一部にとどまり、テレワークが常態化した現在、通勤への影響も最低限だったと報道されています。

CGTは「目的を達成するまで継続する」と宣言、11月のストでは、国鉄とパリ地下鉄同時のストで動員数を上げ、交通を麻痺させることで会社側を交渉のテーブルにつかせる構えを見せています。

 

スト情報、変更、キャンセル

フランス国鉄SNCFのスト情報は、利用する列車がTGV及び Intercityの場合、登録された携帯番号に案内が送られてきます。

地方で運行されているTER(地域圏急行輸送)がキャンセルになった場合はそのようなメッセージは送られてきませんので、当日利用者が自ら運行情報を確認する必要があります。

フランス国鉄の場合、スト期間中に運行予定の列車のキャンセルは駅カウンターなどで無料で行えます。(詳しくは同社ホームページでご確認ください。)

・フランス国鉄SNCFのスト、運行状況:sncf.com

・TERの運行状況:ter.sncf.com

・トランシリアン(イル=ド=フランス地域圏内)、RER※の運行状況:transilien.com

※パリの2つの空港、シャルル=ド=ゴール空港(Roissy CDG)オルリー空港(Orly)行きを含む

・パリ地下鉄RATP運行状況 :   ratp.com

執筆:マダム・カトウ

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