8月7日(日)より、フランス政府の大臣らはいよいよ2週間のバカンスに入る予定です。今年はどこが人気なのでしょうか?
バカンスは今年も国内で
コロナウイルスの感染拡大以来、国外ではなく国内が主要な行き先になっています。「パリから飛行機で2時間以内」の範囲内で、大臣らはどのようなバカンスを過ごすのでしょうか。
やはり南仏
中でも、南東部は人気のようです。南仏のコート=ダジュール地域へ行くジェラルド・ダルマナン(Gérald Darmanin)内務大臣とエリック・デュポン=モレティ(Éric Dupond-Moretti)司法大臣が代表的です。
同じ南仏には、大統領別荘のあるブレガンソン砦(Fort de Brégançon)ですでにバカンス中のマクロン大統領のほかに、エリザベット・ボルヌ(Elisabeth Borne)首相も向かう予定です。この二人は、バカンス中でも近くに滞在し、連絡を取り合いやすいようにしているそうです。
コルシカ島、バスク
フランク・リエステール(Franck Riester)国会関係担当大臣や、カトリーヌ・コロナ(Catherine Colonna)ヨーロッパ・外務大臣、ガブリエル・アタル(Gabriel Attal)公会計大臣は、地中海のコルシカ島でバカンスを過ごします。海岸で大臣同士が遭遇することもあるのかもしれません。
また、リゾート地だけではなく、「帰省」を楽しむ大臣もいます。ブリュノ・ル・メール(Bruno Le Maire)経済・財務大臣はブルターニュ地方から家族のいるバスク地方に移動します。
海外組も
クレマン・ボーヌ(Clément Beaune)交通担当大臣はプロヴァンス地方で数日過ごしたあとイタリアを訪れる予定で、ジュヌヴィエーヴ・ダリューセック(Geneviève Darrieussecq)障害者担当大臣もスペインに向かうといいます。
バカンス直前には「会食」
バカンスを直前にして、大臣らの「お休みモード」も少し垣間見えます。8月3日(水)には、ボルヌ首相があらゆる大臣らをフランス首相官邸のマティニョン館(Matignon)に招待し、会食を楽しみました。
休めない?!バカンス
2週間、パリを離れることが許されるとはいえ、大臣らがなかなか心ゆくまでバカンスを楽しむことは難しそうです。バカンス中は「活気を戻しつつ(…)いつでも出動できるようにしておく(à la fois ressourcer, et (…) rester mobilisés )」 との掟があるためです。
特にオリヴィエ・ヴェラン(Olvier Véran)保健大臣は、コロナウイルスだけでなくサル痘の感染も拡大するなかで、バカンス中であってもかなりの数の書類から離れられないと側近が明らかにしています。
そもそも総選挙の後処理や、保健法の改正、購買力強化法案などで国会会期が延長された影響で、バカンスの開始日はずれこんでいます。大臣らが充実した「夏休み」を過ごせたかは、8月24日以降の新年度にわかることでしょう。
執筆あお