5月6日(金)、大統領選挙で再選を果たしたマクロン氏が所属する「共和国前進党(la République En Marche、略称LREM)」は「ルネッサンス」に改名すると発表されました。同時に現在の与党を構成する中道3党の連合を「アンサンブル」と命名し結束を新たにしました。一方、待ちに待たれた新内閣の発表は13日以降に延期されるという異例の運びになっています。
党名「ルネッサンス」に改名、党の「再生」と変わらぬ「親ヨーロッパ」
共和国前進党スタニスラス・ゲリーニ(Stanislas Guérini)書記長は、5日の記者会見で党名を「ルネッサンス」(Renaissance)に改名したと発表し、同党は「国民のためのオープンな党」であり「影よりも光を選ぶ党であり、ヨーロッパでの役割の継続を表している」と述べました。
再選したマクロン大統領は、6月12日の下院選挙に向けた集会で党の「抜本的な刷新」を行うと約束しており、文字通り「再生」を意味し「親ヨーロッパ」的な改名でより印象付ける狙いがあると思われます。
中道連合は「アンサンブル」に命名
与党共和国前進党は、新党名の発表と同時に、現在の与党である中道3党の連合を「アンサンブル」(Ensemble)と命名したと発表しました。
中道3党とは、ルネッサンス党及びフランソワ・バイルー(François Bayrou)氏率いるモデム党(MoDem)、前首相エドワール・フィリップ(Edouard Philippe)氏が率いるオリゾン党(Horizons)の3つです。
大統領選の第一回投票で、メランション(Jean-Luc Mélenchon)氏が3位につけ支持を伸ばし、自身が党首を務める極左、不服従のフランス党(France Insoumise)が、最近左派連盟を結成し過半数を狙う動きに対し、与党は結束を再表明しています。
下院議席577に対し、「ルネッサンス党」公認候補400名
下院選挙の候補者は、ルネッサンス党の公認候補が約400人、モデム党は101〜110人、オリゾン党は58人がすでに決まっています。
候補者の数で圧倒する与党連合ですが、来月の下院選では極右、極左が議席を増やすことは必須と見られています。
首相「辞任なし」で「異例の」任期満了、新内閣13日に発表か
内閣再編が待たれるフランスでは、伝統的に大統領選挙の直後に元首相が「辞任」するのが慣例となっていますが、5月13日の第一期任期満了日まで内閣再編なしで継続するという「異例」の運びとなりました。
この異例の事態はメディアで論議を醸し出していますが、現大統領の任期は13日の0時に満了となるため、本来それまで現行の内閣がそのまま維持されるのは憲法違反ではありません。
そもそも、首相は「辞任」する必要はなく、首相の任命や退任は大統領が決めることになっています。
当選後、正式には7日に就任する新大統領の演説で慣例通り新内閣が発表されると期待されていましたが、アタル政府報道官の発表によると、13日以前の組閣発表はないことが明らかになっています。
執筆:マダム・カトウ