フランスのパンは「塩多すぎ」? 4年間で10%減塩へ

2022.03.08

フランスのパン、4年間で10%減塩へ

3月8日(火)、フランスのパン屋組合の代表らは、パンに含まれる塩の量を2025年までに「10%減らす」という声明書にサインしたと、フランス政府が発表しました。

 

今後4年間で10%減塩

今月3日、パリで行われた農業国際見本市(salon de l’agriculture)にて、パン屋組合の代表らは「今後4年間でパンに含まれる塩の量を10%減らす」という声明書にサインしました。

これを受けフランス政府は「フランス国民の健康維持のために」パン業界が減塩に協力することを歓迎しています。

フランス人の1日の塩分摂取、20%がパンから

フランス人の食卓に欠かせないパンですが、保健省によると「フランス人が1日に摂取する塩分のほぼ20%」がパンによるものとされています。

フランスのパン業界には、職人が手作りでパンを作るフランスのパン屋連合(CNBPF:Confédération nationale de la boulangerie pâtisserie française)と、パンやパティスリー(ケーキ)を工場で製造する企業が加盟しているフランスパン製造業連盟(FEB:édération des Entreprises de Boulangerie/ Pâtisserie )の二団体があります。

今回この2つの団体が、フランス農業・食料省の機関である健康・食品総局(directions générales de la santé et de l’alimentation)と「2025年までの4年間で10%の減塩をする」という声明書にサインしました。

パン業界のみならず、フランス商業、小売業界やアンテルマルシェ(Intermarché)ルクレール(Leclerc)といった大手スーパーチェーンも賛同しています。

 

2025年までにフランス国民の塩分摂取量30%減へ

WHO 世界保健機関(OMS:Organisation mondiale de la santé)加盟国は 、2025年までに世界人口の塩分摂取量を相対的に 30%減らすることに同意しています。

フランスも加盟国として「高血圧を防ぎ、心筋梗塞などの心臓病を予防する」ために減塩を推進していかなければなりません。

フランス人が日常的に口にするパン100gに含まれる塩の量は現在1.7グラムですが、これを2023年の10月までに1.4gまで減らす必要があります。

フランス名物「バゲット」もお塩多すぎ

バゲット一本(約250g)に含まれる塩の量は、2023年の10月以降は3.5gを超えてはいけないことになります。

フランス語でパン・ドゥ・ミ(pains de mie)と呼ばれる食パンは2025年10月までに、1斤あたりに含まれる塩は1.2gから1.1g、一枚(約35g)あたり0.38gに抑えなくてはなりません。

世界的な減塩推進、「ジャンクな」超加工食品普及にWHOが警鐘

WHOは最近発表したレポートで、「超加工食品」と呼ばれる、主に加工食品物質(脂肪、糖、デンプン、タンパク質分離物など)を用いて工業的に作られた食品や飲料の世界的な普及に警鐘を鳴らしています。

安価で製造されるために食品メーカーにとっては利益率の高い超加工食品ですが、塩分、糖分、脂肪分過多で、健康への深刻な害が懸念されています。

塩分の高い食品の減塩推進は、食品の健康への害を減らす一貫として各国で行われています。

執筆:マダム・カトウ

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