マクロン大統領、バカンス先からSNSでワクチン接種を喚起

2021.08.05

若者 スマホ

フランスは、コロナウイルス感染拡大の第4波に直面しつつあります。7月末から数日間のバカンスをとっているマクロン大統領は、休養先からワクチン接種の推進に向けSNS上でアピール活動を行っています。

 

バカンス先からSNS投稿

日本やフランス領ポリネシアへの訪問から帰国したマクロン大統領は、7月30日より数日間のバカンスを南部コート・ダジュール(Côte d’Azur)地方のブレガンソン要塞(Fort de Brégançon)で過ごしています。

Tik TokやInstagramで…ワクチン摂取を呼びかけ

その休養先から、連日、マクロン大統領がSNSに投稿し始めたのが、ワクチン接種に関する国民の疑問に直接答えるという形式の動画です。

最初の動画では、ウイルス感染拡大の第4波を前にして、ワクチンを摂取していない人が多くいるとして、国民から直接コメントを募集しました。Instagram上の投稿には現時点(8月5日12時)で2万件以上のコメントが集まっています。

 

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Emmanuel Macron(@emmanuelmacron)がシェアした投稿

大統領によるQ&A

2番目の動画からは、宣言通り、大統領自身が1つずつ質問に答えています。

例えば2番目の動画では「私は若いからワクチンは必要ない」というコメントに対し、「絶対に安心ということはない。若者でも重篤状態で入院している人がいる」「中には数ヶ月にわたって苦しむことがある」そして「家族、友人など周囲の人に感染させないため」という理由を挙げて、ワクチン摂取を進めています。

3番目の動画では、「ワクチンの効果は確かではなく、(ワクチンが)100%効果的とはいえない、ワクチンを摂取してもウイルスには感染する」というコメントに対して、「効果は世界的に研究されている」「85%の感染者は、ワクチンを摂取していない」という根拠を挙げ、「ワクチンは命を救う」と説得します。

その後も、ワクチン接種後の副作用や、「コロナパスポート」について、また「大統領自身はワクチンを打ったのか?」について、国民への「質問返し」を続けています。

SNSに投稿はお手の物?

一連の動画は、大統領自身によるセルフィー(自撮り)かつ、リラックスした服装や背景で撮影されています。SNS上のユーザーを意識したものでしょうか。

最初の4つの動画で大統領が着ていたのは、胸元にワンポイントのロゴが入った黒のTシャツ。ロゴがギリシャ神話のアテーナー(戦いや知識の女神)を象徴する「フクロウ」ではないかという予測もありますが…公式の説明は今のところありません。

 

確実に迫る第4波

以上のようにワクチン接種を促進する背景には、フランス南部を中心に急速に危機感が増している「第4波」です。

とりわけ、地中海に位置するコルシカ島や、フランス南部のプロヴァンス=アルプ=コート・ダジュール地方(Provence-Alpes-Côte d’Azur)とオクシタニー地域圏(Occitanie)では、感染拡大と病床数や医療従事者の不足が問題となっています。

これに対し、急遽、病床数の追加や、医療従事者の域内移動を促す措置をとることになりました。

第4波の急速な拡大により、休暇中にまで大統領がSNSでワクチン接種を呼びかけるのも納得できるところですが、効果はいかがなものでしょうか。

執筆あお

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