フランス ワクチン接種にサッカーW杯スタジアム 今月中に90万人

2021.04.06
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フランスW杯スタジアムが巨大なワクチン接種会場に

4月6日(火)、1日の感染者が5万人を超え新型コロナウイルスの第3波に見舞われているフランスですが、ワクチン接種のスピードアップを図るため、感染者の多いパリ郊外にある1998年サッカーW杯の開催場所となったスタッド=ド=フランス(Stade de France)をワクチン接種会場にし、本日接種が開始されました。

 

パリ及び近郊で接種に「遅れ」の理由

現在パリ及びイル=ド=フランス地域圏(Île-de-France)では1日あたり43,000個のワクチンが使用されていますが、ワクチン接種率は住民1,000人当たり3.5人で、これはフランス全国平均の4人を大幅に下回っています。

フランスで最も人口密度の高いこの地域圏では、これまで接種の対象になっていた75歳以上の人口が7%と他の地方(概ね9%)に比べ少ないことが原因のようです。

ちなみに高齢者の多いニース市のあるプロヴァンス=コート=ダジュール地方(Côte d’Azur)でのワクチン接種率は4.8%に上ります。一方、2回目の接種を受けた人の場合は、高齢者が少ないイル=ド=フランスで30%と、全国平均の23%を4ポイントも上回っています。

 

週4万回目標、半分はキーワーカーの多いパリ郊外サン・ドニ地元住民用

98年サッカーW杯の会場スタッド=ド=フランスは、パリの北サン・ドニ(Saint-Denis)県に位置します。

住民にパリ市内で働くキーワーカーが多いこのサン・ドニ県は、感染拡大による病床逼迫が続くことから、スタジアムでの接種予約の50%は同県住民専用に確保されています。

予約はドクトリブ(Doctolib)という診察予約アプリ(民間)で行いますが、インターネットやスマホが使えない高齢者向けに、サン・ドニ県に採用された54人の学生たちが、週6日コールセンターで予約を受け付けています。

接種会場は8万人収容可能なこのスタジアムの広大なフィールド上ではなく、地下に多数あるセミナールームで、フランス赤十字社の協力のもと接種が行われています。

まずは1週間で1万回、徐々に週4万から4万5000回の接種を目標にしています。

 

接種予約に空きがあるのは何故!?

にも関わらず、接種開始第1週は全ての予約枠が事前に埋まったわけではありません。スタッドフランスにはファイザー(Pfizer)社とモデルナ(Moderna)社(米)のワクチンが用意されています。予約時にどのワクチンが接種されるかが明記されているため、接種者はこの2つから選択することができます。

ファイザー社の接種には予約が殺到して直ぐに満杯になったものの、モデルナ社分は今週の予約にも空きのある日があります。

サン・ドニ(Saint-Denis)市の助役キャティー・ボンタンク(Katy Bontinck)は、「モデルナ社のワクチンはこれまでフランスではあまり利用されていないため、知名度が低いのでは?」とコメントしています。

ファイザー社と同じmRNAと呼ばれる技術を使い、その効果は同じく94%と発表されアメリカでは広く接種されているモデルナ社のワクチンですが、その不人気について、フランスのメディアの中には「副作用の血栓によりフランスでも2人の死者を出したアストラゼネカ(AstraZeneca)とモデルナ(Moderna)は末尾に”a”が付いており、音の響きが似ているから混同しているのでは?」などと推測しているところもあります。

キャンセル待ち登録で70歳未満も接種

ワクチンを無駄にしないため、サン・ドニ県では各地方自治体が、現在接種対象の70歳以上の住民だけでなく60歳以上の高齢者を対象に「キャンセル待ちリスト」への登録を開始しました。

接種予約のコールセンターでは、学生たちが対象年齢の住民に電話し登録を促しています。

 

ワクチンがスタジアムに集中、小さな自治体に回ってこない

感染者の多いイル=ド=フランス地域圏だけで、今月中に90万回の接種が予定されていますが、ワクチン自体のストックを巨大な会場に集中させているため、小規模自治体にある24箇所の接種会場への配分はなかなか増えないのが実情です。

実際、サン・ドニ県内にある人口54000人のエピネー=シュール=セーヌ(Épinay-sur-Seine)では、2月1日に予定されていた接種会場は未だオープンしていません。

同県内の市町村では、「国の政策で大きなスタジアムを接種会場にし、大量接種を進めなくてはならないのは理解できるが、各自治体に接種会場がある方が利便性が高く、主治医のいる地元での接種の方が安心感もあるので、接種を促しやすい」といった声も上がっており、接種会場を増やす署名活動も行われています。

執筆:マダム・カトウ

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