フランスのホテル、レストラン倒産の危機 代表らマクロン大統領と会合

2020.04.24

フランス外出禁止でレストランピンチ

4月24日(金)、外出禁止令が出てからすでに1ヶ月半経ったフランスでは、ホテルやレストランなどの観光業界が壊滅的な打撃を受けています。これを受け、本日マクロン大統領は業界代表者と大統領官邸にて会合を行います。

 

外出禁止で売上91%減

3月17日の外出禁止令以来、ごく一部のレストランがテイクアウトで営業を継続したり、マクドナルドがドライブスルーのサービスを再開した以外は、フランス全土のレストランは全て閉店しています。また、ホテルは病院関係者などの宿泊を除き、全ての予約がキャンセルとなっています。

現在、前年対比で売上が50%以上減となった中小企業向けの補助金は一律1500ユーロ(約174,000円/1ユーロ=116円)(一部の条件を満たすと追加2000ユーロ(約232,000円))となっており、さらに政府保証による無利子の銀行融資も行われていますが、固定費の支払いに不十分との声が上がっています。

 

5月11日から商店再開もホテル、レストラン対象外

外出禁止解除まで20日を切りましたが、人の集まるホテルやレストランの再開日は未定となっています。

年間売上が約900億ユーロ(約10兆円)に上るこの業界は、フランスで100万人を雇用する業界別第6位の雇用主でもあることから、外出禁止が長引くと、倒産や廃業で失業者が多数出ると懸念されています。

雇用維持に大胆な政府の援助期待

本日の大統領との会合で、業界関係者は法人税や住民税の免除、今後6ヶ月間の家賃の免除、従業員の休業補償の延長や遺失利益の一部補償など、多岐にわたる政府の支援を期待しています。

 

2ツ星レストランシェフが大統領に陳情

フランスを代表するシェフの一人で、南西フランスの主要都市、トゥールーズ(Toulouse)でミシュラン2ツ星レストランを経営しているオーナーシェフのミッシェル・サラン(Michel Sarran)氏は、自らのツイッターでマクロン大統領に向け、レストラン業界への援助を訴えています。

「大統領殿」と題したツイッターの内容は下記の通り:

「4月13日の演説で大統領は、レストランの再開は《しばらく後》になると言われましたが、一体いつまでなのかわかりません。

また、どういう条件で再開するのかもわかりません。そんな中、私たちの仲間の中には、素晴らしい仕事をしている医療関係者に感謝の意を込めて無料で食事を配っている人たちもいます。

(レストランを含む)観光業界は100万人を雇用しフランス経済の7%を占めています。また、フランスの観光業とはフランス料理でもあり、これらの仕事に従事する人達が、毎日フランスという国を輝かしいものにしています。

大統領殿、私たちには保障が必要です。さもなければ、多くのレストランは再開することなく、たくさんの人が失業するでしょう。私たちはそういった事態になることを望んでいません。私たちはこの仕事が好きなのです。

しかしながら、現時点で私たちにはなんの保障もありません。どうか、社会保障費用を無料にしてください。保険会社(注)に圧力をかけてください。ドイツを見てください。うまくいっています。どうか助けてください」

(注)売上激減の際に一部を保障するレストラン用の保険は《疫病》が免責条項になっている。

執筆 :マダム・カトウ

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