フランス新型コロナ重症患者、初の減少《聖なる金曜日》ノートルダム寺院でミサ 夏休みは?

2020.04.10

 

コロナ感染拡大のパリノートルダム寺院で復活祭ミサ

4月10日(金)、昨日9日までのフランスにおける新型コロナウイルス感染者数は117,759人、死者12,210人と増え続けていますが、蘇生治療を受けている重症患者の数が3月1日以降初めて減少に転じました。そんな中、本日復活祭の金曜日、ミサが昨年4月の大火災から1年を迎えるパリのノートルダム寺院で行われています。

 

重症患者の減少、感染《横ばい》に期待

現在、病院で治療を受けているコロナウイルスの入院患者は30,767人で前日より392人増えましたが、集中治療室で蘇生治療を受けている人は前日より82人減って7,066人となりました。

医療関係者は、この1ヶ月間増え続ける重症者の対応に苦慮していたため、僅かな減少でも数が安定してくることで病院への負荷が軽減され、少しずつ治療現場に余裕が出始めると見ています。

フランス保健局局長(Directeur Général de la Santé)、ジェローム・サロモン(Jérôme Salomon)氏は昨日の定例記者会見で、「感染拡大の衰えが僅かに見られる」としつつも、そもそも5000床しかなかったフランス全国の集中治療室における病床の需要は40%増と高止まりしていることから、「気を緩めることなく、外出禁止を守ることが重要」と慎重な姿勢を見せました。

パリおよび近郊でも微減

フランスで感染者の最も多いパリおよび近郊のイル=ド=フランス地域圏(îls-de-France)での死者数は計3,040人と前日より200人増えていますが、重症患者の数は2,667人と前日より1%減っています。

 

ノートルダム寺院で《聖なる金曜日》ミサ

本日、復活祭の前日に行われる《聖なる金曜日》(グッドフライデー)のミサが、現在修復中のノートルダム寺院にて行われています。
パリの大司教で、自らも医者であるミッシェル・オプティ(Michel Aupetit)氏は、直前のインタビューで「新型コロナウイルス もノートルダム寺院の火災も神の手によるものではない。疫病が去った後、この試練から我々が経済やお金ではなく人が最も尊いものであるということを学ぶ必要がある。そうすれば神はこの人類最大の苦境から、良いものを与えてくれます」と語っています。

ミサは7名で行われ、招待された役者がバイオリンの伴奏者を交え防護服姿で朗読をする様子など、全国に生中継されています。

 

旅行者150万人が政府チャーター機で帰国、国民に《夏のバカンスはフランス国内で》

フランス交通担当国務長官(secrétaire d’État chargé des Transports) ジャン=バティスト・ジェバリ( Jean-Baptiste Djebbari)氏が今週の頭に、「今年は夏のバカンスの予約をしないように」と発言し、そのことが外出禁止中のフランス国内で「今年は夏のバカンスはないのか?」と物議を醸していました。

これを受け、環境相エリザベート・ボルヌ(Elisabeth Borne)氏は、「ジェバリ氏は、夏のバカンスがないと言っているのではなく、現時点で感染拡大が夏にどのような状況になっているかわからないため、《地球の反対側》に行く航空券の予約はしないほうがいいと、国民に慎重な行動を促しているだけです」と語りました。

また、ボルヌ大臣は、感染拡大による各国の国境封鎖などで身動きが取れなくなった150万人のフランス国民を政府チャーター機で帰国させていることを強調し、「この美しい国でバカンスを過ごすことで、苦境に陥っているフランスの旅行業界を支援しましょう」と今年の夏は国内で過ごすことを推奨しました。

執筆:マダム・カトウ

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