フランスの街からゴミ箱が消える?

2020.02.05

ゴミ箱
近年フランスでは、街にゴミが増えていることが社会問題になっています。そこで「ゴミゼロ」を目指してゴミの分別を実施したり、公共の場所からゴミ箱を撤去することが検討されています。

 

増え続けるゴミ

パリの街のゴミの量は1940年には239キログラムだったのが、2015年には485キログラムと倍増しました。ニューヨークやブエノスアイレスなどの都市でも同じような傾向があります。2018年に発表された世界銀行Banque mondiale)の報告によると、もしこのまま何の手も打たなければ世界のゴミの量は現在から2050年までに70%増加し、340万トンに達するといいます。その頃には世界の人口の3分の2が一定の地域に集中しており、ゴミが爆発的に増えると見られています。

 

世界の各都市の対応

その対策として、例えばボディソープではなく固形せっけんを使う、ペットボトルを買わずに水筒を持ち歩く、使い捨てではなく洗うタイプのおむつを使う、といったことが推奨されています。

ロンドンやトロントでは、ビニール袋を置かず、客に買い物袋を持参させる店ができました。パリとブリュッセルでは品物をバラで買う人が増えています。アムステルダムやバルセロナではリサイクルショップが増えています。世界の他の地域では、使い捨ての袋、コップ、皿、プラスチック製のストローなどを廃止し、再利用可能な物を使うようにしています。

サンフランシスコでは元々廃棄されるはずだったゴミを溶かし、その内80%をリサイクル、またはたい肥として利用しています。

スロベニア の首都リュブリャナでは有機化合物のゴミや紙・段ボールを回収し、60%のゴミをリサイクルしています。2004年に住人の出したごみの量は268キログラムでしたが、現在では年間110キログラムに抑えることに成功しています。

 

フランス:ゴミ回収の取りやめ、ゴミ箱の撤去

パリではゴミの回収を取りやめる案が出ています。現在はコンテナが各集合住宅の前に来てゴミを回収していますが、将来はこれを取りやめ、居住者自身が町中のゴミ置き場まで捨てに行くようにすることが検討されています。このやり方はすでにポルトガル・リスボン近郊の街で取り入れられています。こうすることで、住人が自分でどれほどゴミを出しているかを認識し、ゴミを減らそうと思うきっかけになるといいます。


フランス西部の街サンティレール=ド=リエでは、2018年1月に公共のゴミ箱がすべて撤去されました。現在では住人はゴミを自宅に持ち帰って分別しておき、収集車が来た時にゴミを有料で回収してもらっています。

これからフランスの他の都市にもこのような動きが広まっていくのかに注目です。

執筆・Shunsuke

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