新型コロナウィルス感染拡大のためフランスのマスク工場、対応に追われる

2020.02.04

新型コロナウイルスの脅威が世界中に広まっている中、感染の予防のためにマスクを買い求める人々が薬局などに殺到し、品切れが起こっています。この事態に対応するため、フランス・アンジェのマスク工場では新たに30名の工員を雇用しマスクの生産を急ぎます。

 

5億枚以上のマスクが必要

フランス・アンジェにあるコルミ・オペン(Kolmi-Hopen)社は感染予防用や医療用のマスクの生産を行っている企業です。自社の工場では一日に合計百万枚ものマスクを生産しています。マスクはできあがるとすぐに段ボールに入れられ倉庫に運ばれ、翌日にはアジアやフランスを含む欧州諸国に輸送されます。

ジェラール・ユーリエ(Gérald Heuliez)社長によると、コルミ・オペン社は通常、年間で1億5000万枚以上の医療用マスク、2000万枚以上の感染予防用マスクを作っています。新型コロナウイルスの感染者拡大に伴い、現在では合わせて5億枚以上のマスクを生産するよう要請を受けているそうです。

 

中国はマスクの輸出を停止

平常時は世界市場の8割のマスクは中国と台湾で生産されていますが、現在両地域では地元での需要に応えるためにマスクの輸出を取りやめています。これにより、コルミ・オペン社のようなその他の地域の工場が世界市場において足りなくなったマスクを供給することが求められています。

現在需要があるのは着用時に顔にぴたりと付き、非常に細かい粒子でも通さないタイプのマスクです。マスクの繊維にはポリプロピレンという素材が使われています。コルミ・オペン社で使用している原料の大部分はフランス国内で入手できるので、中国が輸出を停止してもマスクを生産することが可能です。

新型コロナウイルスの感染報告は欧州諸国でも出はじめました。品切れが解消されるよう一刻も早いマスクの生産・流通が待たれます。

執筆・Shunsuke

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