7月31日 地下鉄1番線が立ち往生し数百人が車内に取り残される 車内は60℃に達する

2018.08.01

31日(火)夜、パリの東西を結ぶ地下鉄1番線で、車両故障により運行がストップしました。その間、複数の電車が駅間のトンネル内で立ち往生し、数百人が車内に取り残されました。乗客たちは故障からおよそ1時間後に、線路を伝って最寄りの駅まで徒歩で移動しました。

 

車両故障により運転見合わせ

31日の20時36分頃、パリの東に位置するシャトー・ドゥ・ヴァンセンヌ(Château de Vincennes)駅と北西に位置するラ・デファンス=グランダルシュ(La Défense – Grande Arche)駅を結ぶ地下鉄1番線で、車両故障によって、シャトー・ドゥ・ヴァンセンヌ駅とバスティーユ(Bastille)駅の間で、運行がストップしました。

地下鉄を運行しているRATP(Régie Autonome des Transports Parisiens / パリ交通公団)は、車両故障を伝える内容をツイートしました。


20:36、車両故障によりシャトー・ドゥ・ヴァンセンヌとバスティーユ間で運転見合わせ。21:00に運転再開の見通し。

 

車内に数百人が閉じ込められる

この時点で8本の電車が駅と駅の間のトンネルで立ち往生しており、車内には数百人が閉じ込められた状態になりました。

その後、事前にツイートされていた21時になっても運転は再開されず、乗客は1時間以上閉めきられた車内で身動きが取れない状態で待機せざるを得ませんでした。

1番線には、外気を取り込み少し冷やした状態で車内に送り込む換気装置はありますが、当時の車内温度はおよそ60℃にも達していたと見られています。

 

乗客が車内の状況をツイート

多くの乗客が閉じ込められ身動きが取れない状況をツイッターに投稿していました。


本当に地獄だ。なんて恥だ。


1番線 バスティーユ駅のすぐ手前で閉じ込められて、50分あまり…助けて(車内の気温はわからないけど、とてもしんどい!)

 

乗客たちは真っ暗なトンネルの中を歩いて移動

その後、乗客たちは車両から降り、トンネルの中を徒歩で最寄り駅まで移動しました。乗客の中にはお年寄りや体の不自由な人、また幼い子供も多くいたため、暗くて狭いトンネルをすべての乗客が移動し終わるまでに、更に1時間程度かかりました。

RATPはシャトー・ドゥ・ヴァンセンヌ駅とナシオン(Nation)駅の間で9台のバスによる代替輸送がおこなわれ、消防隊員が乗客の移動を助けるとアナウンスを行いましたが、ここまで対応が遅れたことや、移動の際にRATP職員が誰も手助けをしなかったことなどに対して非難の声があがっています。


RATPの職員が誰も助けない中、泣いている子供たちをつれて、両親は線路をつたって脱出しなければいけない。1時間半もかかった。列車とトンネル内は確実に60℃はあった。


RATP職員は私たちを怒鳴りつけた。 

最終的に乗客がすべて移動し終えたのは、運転がとまってからおよそ2時間後の22時30分でした。乗客の内5人が、体調不良を訴え病院へ搬送されました。

22時30分、トンネル内のすべての列車からの移動が終了しました。

 

地下鉄1番線はパリの大動脈

地下鉄1番線沿いには、ヴァンセンヌ城(Château de Vincennes)、バスティーユ広場(Place de la Bastille)、マレ地区(le Marais)、シャトレ(Châtelet)、ルーヴル美術館(Musée du Louvre)、コンコルド広場(Place de la Concorde)、シャンゼリゼ通り(Avenue des Champs-Élysées) 、凱旋門(Arc de triomphe)など、パリを代表する観光地が連なっています。

パリの主要な観光地を結ぶ大動脈の地下鉄1番線の故障は、パリの公共交通機関の脆弱さを露呈した形となりました。また今回の件で、市民の多くはRATPの対応に納得がいかず、非難の声が高まっています。

執筆:Daisuke

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