1月21日(火)の現地の報道によると、昨年フランスで新規登録された企業の分野の中で最も多かったのは「配送」でした。特に「フードテック」(Food-Tech、食品関連サービスに情報技術を掛け合わせた分野)と呼ばれる産業が大きく成長しています。2番目に多かったのは再生可能エネルギーなどの第二次産業で、3番目は不動産業でした。
新規登録された企業の数、大幅に増加
フランスでは最近、起業をする人が増えています。商業裁判所書記評議会(Conseil national des greffiers des tribunaux de commerce/CNGTC)の報告によると、2019年に新規で登録された企業の数は436,440社と、大幅に増加しました(弁護士や医者などの自由業、農業従事者は除く)。その背景には、銀行の貸付利率が低くなっているため資金を調達しやすくなっていること、新しい技術が経済活動の中に取り入れられてきていること、政府による優遇政策が行われていることなどがあります。
躍進する分野「フードテック」
成長している分野の中で最も伸びたのは「配送」で、2018年と比べて25.2%増加しました。とりわけ自宅配送サービスの伸びが大きく、2019年に新しくできた企業全体の22.9%を占めていました。この比率は2018年と比べて40.3%も増えています。これは「フードテック」と呼ばれる分野で、代表的な企業としてはフードデリバリー企業のDeliveroo、Just Eat、Uber Eatsがあります。
第二次産業は新エネルギー(風力発電や太陽光発電など)の分野を中心に伸びており、2018年と比べて45.9%の増加を記録しました。不動産業も不動産民事会社(société civile immobilière/SCI、不動産を有する民事会社)の増加で大きく成長しました。個人・企業を問わず多くの投資家が自己資産、あるいは顧客の資産を管理するために不動産民事会社に投資しました。(2018年と比べて11.9%増加)
2019年に成長した産業分野トップ10(数字は伸び率、昨年度比)
1、配送:25.2%
2、第二次産業:17.2%
3、不動産:13.6%
4、金融・保険:13%
5、科学技術:9.4%
6、行政:8.7%
7、建築:6.3%
8、宿泊・外食産業:5.9%
9、農業:5.5%
10、IT・コミュニケーション:4.1%
出典:BILAN NATIONAL DES ENTREPRISES 2019
2020年度は一体どの分野が成長するのでしょうか。引き続き注目していきたいと思います。
執筆・Shunsuke