フランス南部バイヨンヌのモスクで銃撃事件 容疑者は元国民戦線候補者か

2019.10.29

28日(月)、14時30分から15時頃にかけ、フランス南西部の都市、バイヨンヌ(Bayonne)のイスラム教のモスク(礼拝所)の敷地内で男が銃撃し、モスクにいた74歳と78歳の男性2名が重傷を負っています。男はその後逮捕されましたが、元国民戦線(Front National/現在の国民連合、Rassemblement National)の候補者だということです。現時点では、テロの可能性は分かっていません。

 

犯人は元国民戦線の候補者か

逮捕されたのは、84歳のクロード・サンケ(Claude Sinké)容疑者で、元国民戦線の候補者として、2015年に行われた統一地方選挙でランド県(Landes)の候補者として立候補しています。

しかし選挙後に、国民戦線の精神と政治的方針に反する発言を繰り返したことから、国民戦線から除名されています。

人種差別主義的発言を繰り返していた

サンケ容疑者は、この事件の数か月前に現在の住居に引っ越してきたばかりで、入居先ではほとんど知られておらず、すれ違った際にも挨拶をすることを嫌っていたということです。また、サンケ容疑者の知人は、「(サンケ容疑者は)非常に友好的だったが、政治について話し始めると興奮して暴力的な言葉を発することがあった」と述べていて、人種差別主義で外国人排除の考え方を隠すことはなかった、とのことです。

モスクを放火しようとしていた

サンケ容疑者は、車にガソリンを用意していてモスクを放火する計画でしたが、入り口付近で発砲した後、すぐに逃亡しました。事件後、バイヨンヌからおよそ10キロメートル離れたサン=マルタン=ド=セニャン(Saint-Martin-de-Seignanx)の自宅で機動隊に拘束されました。

当初、サンケ容疑者は手りゅう弾を持っていると発言して抵抗していましたが、その後の捜査で爆発物は所持していないことがわかりました。しかし、自宅からは数点の武器が押収され、また車からは拳銃が一丁見つかりました。サンケ容疑者は殺人未遂容疑で逮捕されています。

既に容疑者は逮捕されていますが、今後似たような事件が続くことも予想されます。フランス滞在中の方は、最新の情報を常に確認し、不審な人物からは距離を置くなど、身の安全の確保に努めてください。

執筆:Daisuke

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