8月28日(水)、フランスの中学生の18.2%が体重過剰との統計が発表されました。2001年の15.8%から増加を続けていますが、親の社会的階層による格差の影響も顕著に現れています。
中学生の体重過剰、年々増加
フランス社会厚生関係統計局la Drees(la direction de la recherche, des études, de l’évaluation et des statistiques)が2016~2017年の2年間に14~15歳の中学生7200人を対象に行った調査によると、18.2%が体重過剰、うち四分の一以上(5.2%)が肥満でした。
2009年の調査では、それぞれ17%と3.8%、2001年には15.8%と3.5%でした。
増加傾向は女子ではさらに強く、2009年の体重過剰が17%に対し、2017年には20%と実に3ポイントも上昇しています。
子供の体重に社会的格差浮き彫り
調査結果には、社会的格差の影響が顕著に現れています。
統計局国民健康担当責任者、フィリップ・レノー(Philippe Raynaud)氏によると、労働者階級の子供の24%、つまり四人に一人は体重過剰で、8%が肥満です。それに対し親が管理職の子供は体重過剰12%、肥満3%となっています。つまり、社会的階層が低い家の子供が体重過剰になる確率が、高い家の子供の倍になることを調査結果は表しています。
この格差の一因として、社会的階層の高い家では、毎朝朝食をとる、スマホやパソコンの使用時間を制限し、スポーツをする、歯医者に定期的に行くなど、健康に気をつけた生活習慣を身につけている子供が多いことが上げられます。
朝食を例に挙げると、毎日朝食を摂っている子供の割合は、国が《教育強化要》に指定する恵まれない環境の学校では52%であるのに対し、それ以外の学校では65%となっています。
中学生の7割は画面の前に3時間半、1割は6時間超
フランスの国立学術団体の一つ、科学アカデミー(Académie des sciences)は、2013年に10代の子供がスマホやパソコンなどの画面を見る時間は1日2時間までが望ましいと発表しています。
しかしながら、今回発表された調査結果では、73%の子供が平日にこの推奨制限時間を大幅に上回る3時間半、さらに10%は実に6時間以上を画面の前で動かずに過ごしています。
社会的格差はここにも顕著に現れており、労働者階級の子供の81%は平日週末を問わず、毎日2時間以上をスマホやパソコンを見て過ごしています。一方、親が管理職など社会的により恵まれている家庭の子供が2時間を越える割合は61%となっています。
執筆:マダム・カトウ