6月13日(木)、フランス政府は、パリ空港公団民営化の是非を決める国民投票の開催に必要な署名集めを開始しました。
国民投票開催にはフランスの有権者470万人の署名が必要
13日深夜0時、フランス政府はパリ空港公団(Groupe ADP)民営化の是非を問う、議員発議の国民投票(RIP: référendum d’initative partagée)開催に向けた有権者の署名集めを開始しました。
議員発議の国民投票には、フランスの有権者の10%にあたる4,717,396人の署名が必要です。前日の官報によると、署名集めは9ヶ月間おこなわれます。
空港の公共サービスとしてのあり方、飛行場の運営方法を国民に直に問う
パリ空港公団の民営化は、今年4月上旬にすでに国民議会において可決されています。
今回の民営化は、パリ空港公団が所有するシャルル・ド・ゴール空港、オルリー空港、ル・ブルジェ空港、その他約10箇所の飛行場、空港付随のショッピングセンターや通信会社HUB ONE、及び公団が所有する世界各国の空港の株式などが対象になっています。
この議決を受け、925人いる国民議会議員および元老院議員のうち与野党を問わない248人が国民投票法案を提出しています。
国民投票開催を支持するならインターネットで署名
国民投票開催を希望する有権者は政府のサイトにアクセスして署名することができます。
インターネットへのアクセスが自宅に無い場合、各自治体や海外のフランス領事館に用意されたパソコンや申請用紙での署名も可能です。
締め切りは2020年3月20日で、署名した人の氏名と居住地区は公表されます。
署名が集まったらどうなる?
来年3月の締め切り後、署名が必要際定数集まったとしても国民投票が自動的に開催されるわけではありません。国民議会と元老院には国民投票法案を吟味する猶予が6ヶ月間あります。
もし国民議会および元老院で吟味されない場合、大統領が国民投票の開催を発令することになります。
国民投票の要求、前例なし
通称RIPと呼ばれる議員主導(最低20%=50人)で有権者支持(有権者の10%以上)による国民投票は、2008年の憲法改正で可決され2015年に発行されましたが、今のところ開催要求が提出された前例はありません。
2020年に初開催となるのでしょうか?これによりパリ空港公団は民営化されるのでしょうか?今後の動向が注目されます。
執筆:マダム・カトウ