5月16日(木)、INSEE(フランス国立統計経済研究所)によると、2019年第一四半期(1月~3月)の失業率は8.7%と10年ぶりの低水準となりました。
フランス本土のみで8.4%、2009年以来の低水準
本日INSEEが発表した概算によると、フランス全土(マイヨット県(Mayotte)以外の海外県を含む)の2019年第一四半期の失業率は前期比0.1%減の8.7%で、2009年以来10年ぶりの最低水準に達しました。
フランス本土(注)のみでは0.1ポイント減の8.4%となり、同じく10年ぶりの低水準となります。よって第一四半期で失業者数は1万9千人減少し、240万人となりました。
しかしながら、失業率が0.3ポイントつまり失業者が9万人減った前期(2018年10月~12月)、および過去一年間の失業率(0.5ポイント減)と比べ減少のペースが鈍化しています。
年齢層により失業率の増減に差
年齢層別で見ると、15~24歳の若者の失業率は過去1年間で1.7ポイント減と大きく改善したものの、今回の発表では0.4%の増加に転じ、19.5%の高い水準にとどまっています。また、50歳以上の失業率も0.3ポイント増加しています。
失業率が改善したのは25歳~49歳という働き盛りの層で、0.2ポイント減の7.7%となりました。
長期失業者、労働人口3.3%の96万人
フランス全土における1年以上の長期失業者は2019年の第一四半期で0.1ポイント減の96万3000人で、これはフランス労働人口の3.3%にあたります。
なお、フランスの就業率(15歳~64歳までの人口における就業者の割合)は66.1%と安定しています。また、フルタイム労働の割合は54.3%で、これは2003年以来の高水準であるとINSEEは発表しています。
(注)フランス本土(France métropolitaine)はフランスのヨーロッパにおける領土を指し、フランス本国およびドーバー海峡の島、コルシカ島などの地中海の島を含みます。
執筆:マダム・カトウ