フランス環境大臣 生放送のラジオ番組で突如辞任を発表 大統領と首相に事前報告はなし

2018.08.29
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28日(火)、ニコラ・ユロ(Nicolas Hulot)国務、環境・連帯・移行大臣(Ministre d’État Ministre de la Transition écologique et solidaire)が、フランス・インター(France Inter)のラジオの生放送に出演中、政府の進める環境政策に対して抗議し「私は人生の最も重大な決断をする」「もうこれ以上自分に嘘をつきたくない」と語り、突如大臣を辞任することを発表しました。(画像はGOUVERNEMENT.frから引用)

 

ユロ元大臣の経歴

ユロ氏は、写真家、ジャーナリスト、テレビの司会者などを務め、2012年から2015年に地球保護担当共和国大統領特使を務め、2017年からはエマニュエル・マクロン(Emanuel Macron)政権で国務、環境・連帯・移行大臣を務めていました。

環境活動家としても知られていて、自然と人間のためのニコラ=ユロ財団を設立するなど、その功績が評価され、2015年にはフランスの最高勲章であるレジオン・ドヌール勲章(L’ordre national de la légion d’honneur)の第3等のコマンドゥール(Commandeur)を受賞しています(最高位はグラン・クロワ Grand-Croix)。

2017年の大統領選時には、マクロン大統領(当時は候補)の選挙公約に「環境」や「持続可能」という言葉がないとして批判、第一回投票では別候補に投票したとして話題になりました。

同年7月には、気候変動抑制に関する多国間の国際的な協定であるパリ協定(Accord de Paris sur le climat)の目標達成に向け、2040年までにすべてのガソリン車とディーゼル車の販売を終了させる方針を発表しました。

 

 

生放送中に突然の辞任発表

ユロ氏はラジオのインタビューに対して、マクロン大統領やエドゥアール・フィリップ(Édouard Philippe)首相には今回の辞任については知らせていないと述べ、「私と私との間での決断だ」と一人で決断しことを明らかにしました。

 

辞任を決めた理由は

辞任の理由に対してユロ氏は、政府が環境問題に対して真剣に取り組んでいないこと、更に「自分が政権にいることで環境問題に対処していると幻想を抱かせたくない、自分一人では何もできない」と答え、政権内で孤独を感じていたことを明らかにしました。

 

マクロン大統領の反応は

マクロン大統領はユロ氏の突然の辞任に対し、訪問先のデンマークで、今回の辞任はユロ氏による個人的な決断であるとコメントしました。更に、「ユロ氏の在任中に政府の環境政策は飛躍的に進み、誇らしい記録だ」と述べました。

ユロ氏は、マクロン政権にとって花形的な閣僚の一人で、パリ協定の目標達成に対して重要な人物でした。また地球温暖化防止政策に対して主導的役割を果たしたいマクロン政権にとっては大きな痛手となることは避けられず、ユロ氏の後任には誰が付くのか、注目が集まっています。

執筆:Daisuke

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