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202610月9日(金)、フランス政府はインフレ対策の一環として、この冬の規制電気料金の据え置き、さらに高騰を続けるガソリン価格対策の一環として、政府備蓄放出による軽油の値下げを発表しました。専門家の間では、電気代の値下げは来年以降の値上げで補われるとの見解もでている、と地元メディアは報道しています。
電気の規制料金据え置き、政府はどうやってまかなう?
電気代が高騰する中、ルコルニュ首相は7日、フランス電力(EDF)の規制料金(Tarif Bleu)に関し、この冬の電気料金を据え置くと発表しました。
2023年からフランス政府が100%株式を所有し国有企業となっているEDFは、フランス国内の電気全消費量の70%のシェアを持っています。
同社の料金体系の一つであるタリフ・ブルーは、EDF社が独自に決めるのではなく、独立行政機関であるエネルギー規制委員会(CRE)と国が、発電供給コストなどを元に料金を決定しています。
原子力発電の効率化だのみだが
首相は、その発表の中で、フランス全国にあわせて57基ある原子炉の稼働効率を上げることで価格の上昇を抑えると述べています。
しかしながら、エネルギー関係の専門家でグルノーブルの経営学専門学校のセビ(Carine Sebi)氏は、電気料金は「生産コストだけでなく、配電網のメンテナンスコスト、税金、そして国の判断」によって決められることから、生産効率の改善だけで上下するものではない」、と指摘しています。
また、電気の生産コストは、この冬がどれだけ寒いかにもよります。
冬の寒さ、生産コストに影響
つまり、寒くなれば寒くなるほど電気の使用量は増えるため、原子力だけでは賄えなくなります。そうするとフランス電力はガス発電で補う必要がでてきます。しかし、ガスは原油同様高騰がつづいているため、ガス発電の割合が増えれば増えるほど、生産コストは上がるわけです。
目先の価格据え置き、のちに消費者が払う?
政府が規制する料金は年に二回見直しが行われており、次は来年二月に実施されます。その際、政府はEDFが希望する価格を拒否することができるわけです。政府が価格を抑えたくとも財源が確保できなければ、政策諮問機関である国務院(Conseil d’État)がその分を後付けで値上げするよう指示することも考えられます。
いずれにしても、「(価格据え置きの)ツケは遅かれ早かれ消費者に回ってくるのです」と、エネルギー専門のコンサルタント、ゴルドベルグ(Nicolas Goldberg)氏は述べています。
電気料金への減税は非現実的
価格を下げる最後の手段として、電気料金にかかる消費税5.5%の減税が考えられますが、財政赤字がGDPの5%を超えた現在のフランスでは、その可能性はかなり低いといえます。
軽油、備蓄放出で1L当たり最大18セント値下げ
フランス政府は、現在1億バレルの備蓄を持っています。そのうち約半分の5000万バレルを軽油が占めています。
今回、政府は備蓄の10%にあたる1000万バレルの軽油を放出すると発表しています。
地元メディアの取材に答えた政府エネルギー担当政務次官、モード・ブルジョン(Maud Bregeon)は、「軽油の消費量は3ヵ月間で約5400万バレルで、放出量はその20%にあたりますが、この量を放出しても万が一のための備蓄に影響はない」と述べています。
今回の放出で、1リットルあたりの値下げ額は、わずか12サンチーム(約21円/1ユーロ=178円)~18サンチーム(約32円)で、消費者の反応は「まったく不十分」、「少しでも下がって喜ばしい」と二分しています。
出典:France Info
執筆:マダム・カトウ












