2026年2月10日(火)、フランスのレストランはテーブル会計が当たり前とおもいきや、最近、バーカウンターにあるレジでお会計をするところが増えています。そのワケは?
「食事はゆっくり」はもう古い?、店も客も急いでいる
フランスのレストランでの食事は2時間かかるのが当たり前、とガイドブックなどによく書かれています。実際、「食事はゆったり楽しむもの」という伝統がフランスにはありますが、近年「待てない客」が増えています。
レストランでの食事に時間がかかる理由の一つに、テーブル会計が挙げられます。
ウェイターやウェイトレスは、会計を頼まれるとまずレジに行き、計算書を持ってきます。
しかしその途中で、入店してきたお客さんをテーブルに案内することを優先したり、通りがかりに追加注文を受けたりすることも少なくありません。その結果、会計が後回しにされたり、忘れられたりして何分も待たされることもあります。
そのため、ランチタイムや夕方の観劇前、交通機関での移動前など限られた時間内に食事を済ませたい場合、会計時に待たされることをあらかじめ想定しておく必要があります。
あるいは、ファストフードなどカウンターで注文と会計を済ませるセルフサービスの店を選ぶことになります。
古くからあるカフェやレストランでは「ギャルソン」と呼ばれる、黒いチョッキ姿のウェイターが分厚い皮の財布とカード決済機を持ってテーブルに来て、その場で清算するのが一般的でした。近年は、現金決済の場合、レジまで現金を持っていきテーブルにおつりを持ってくるケースが増え、これもまた時間がかかる原因になっています。
人件費の高騰やレストラン業界全体の人出不足から、ウェイター一人当たりの守備範囲が広がり、その結果、客を待たせるという悪循環が生じています。
レジ会計の方が店とお客さんの会話が弾む?
ストラスブール(Strasbourg)のレストラン「オー・マゴ―」(”Aux Magots”)では、店内奥にあるバーカウンターの端にあるレジで会計をします。
2人の女性客は「この方がいつ店を出るかを自分たちでコントロールできる」と歓迎しています。
支払いがスムーズなだけでなく、店の人から「食事はおいしかったですか?うちの店ははじめてですか?」と声をかけられ、周りを気にせず会話ができることも利点だと述べています。
テーブルだと周りに他の客もいたり、サービススタッフも入り口から入る人が見えて気になったりしますが、カウンターだとお互いに立って一対一で向き合っているため、「会話に集中することができる」からでしょう。
テクノロジーの発達でレジも簡単に
フランスでは、未だに手書きで注文を取り、会計の時はウェイターやバーテンダーが暗算して合計金額をだすという店が残っています。
しかしながら、ここ数年たいていの店で、オーダーがレジと連動している携帯アプリが普及、それを利用して注文を取るか、テーブルで受けたオーダーをタッチパネルで打ち込むかのいずれかになっています。
ちなみにフランスでは、日本と違いテーブルにオーダー用のタブレットを置いている店はほとんど見かけません。
コロナ禍の間、店内で客に自分のスマホで注文させる店はありましたが、あまり定着しなかったようです。そのため、会計はカウンターでも、注文はテーブルにウェイターが取りに来ることがほとんどです。
テーブル会計かレジ会計か?
テーブル会計を続けるシルティジハイム(Schiltigheim)のレストラン「ミッシェル・ドゥビュス」(”Michel Debus”)の責任者は、オーダーも会計も自らテーブルで受けます。
客はゆったり座ったまま、食事の感想などを聞かれつつ会計をし、立ち上がるのは帰るときだけです。
そのうちの一人は「(レジ会計は)まるで職場のランチやビジネスランチを彷彿させるような」雰囲気になる点に賛成できない、と語っています。
店の方針により、この2つのシステムは今後も共存し続けるとおもわれますが、ミシュランの星付きレストランで「レジ会計」が採用されることは、まずありえなでしょう。
執筆:マダム・カトウ












