パリ、この夏セーヌ川で遊泳はいかが パリ五輪1周年で聖火台カムバック

2025.05.27

パリ五輪 聖火

チュイルリー公園に浮かぶ、パリ五輪の聖火台(2024年筆者撮影)

2025年5月27日(火)、今年の夏、昨年のパリ五輪でトライアスロンなどの競技が行われたセーヌ川に、今年一般向けの浴場が3カ所設けられます。さらに、五輪開会式で注目を集めた黄金の気球が、チュイルリー公園(Jardin des Tuileries)に再び登場します。

 

7月5日より、シテ島やエッフェル塔を眺めながら遊泳

パリ市長アンヌ・イダルゴ(Anne Hidalgo)は、パリ五輪開催にあたり、セーヌ川を再び遊泳可能にすると公約していました。

今年オープンする遊泳場は、セーヌ川の風光明媚な位置、シテ島(île de la Cité)の向かい側の「ブラ・マリー」(Bras Marie:パリ4区)、エッフェル塔、白鳥の島(île aux Cygnes)の向かい付近に設営される「グルネル」(Grenelle:15区)、そして東側のベルシー(Bercy:12区)の3カ所に設けられます。

セーヌ川浴場は、入場無料、8月31日まで設置されています。

セーヌ川遊泳、17世紀からの歴史

実は1923年に禁止されるまで、セーヌ川は遊泳が可能でした。

パリ市の記録によると、セーヌ川での遊泳は17世紀から行われるようになりました。当時は男性のみが裸で泳いでいましたが、同世紀末ごろまでに裸での遊泳は禁止されました。そのため、川に囲いを作り男女別々の「浴場」が登場するなど、徐々に遊泳場が整備されていきます。

たとえば1801年には、「デルニー浴場(piscine Deligny)」が設けられました。これは、パリ7区の河岸で水泳を教えていた最初の水泳教師の一人、デルニーの名前にちなんで名付けられたもので、十数隻のはしけの上に設置され、セーヌ川の水を利用していました。

19世紀末には、このデルニー浴場に似たような「浮かぶプール」が、パリ市内におよそ20カ所存在していました。

ちなみに、「浮かぶプール」とは、川や湖などすでに「水」のある場所に設置されるプールで、川や湖の自然水を利用します。

現在では、水質管理が徹底され、浄化システムや監視体制が整備されます。

20世紀に陸地のプール普及で廃れる「セーヌ川遊泳」、1923年に禁止

しかしながら、20世紀に入り陸地に作る現代のプールが普及し始めると、浮かぶプールは徐々に姿を消します。

1913年にはフランス選抜飛び込み大会がセーヌ川で開催されたりしましたが、1923年、セーヌ川での船舶の交通量の増加と水質の悪化により、人体への危険性が高まったことから、遊泳は全面的に禁止されました。

 

パリ五輪の聖火気球、チュイルリー公園に再び

6月21日(土)、パリ五輪の聖火台だった不思議な黄金の気球がチュイルリー公園に再び戻ってきます。

夏至にあたるこの日は、毎年恒例の音楽祭「フェット・ドゥ・ラ・ミュージック」(fête de la musique)が街中で盛大に開催されます。

気球は9月14日まで見ることができます。

セーヌ川浴場の詳細:

各浴場には

・「ブラ・マリー」(Bras Marie:パリ4区)

月~土(8時~11時半)、日(8時~17時半)

最大収容人数:150人

・「グルネル」(Grenelle:15区)

月~金(10時~17時半)

土(10時~16時45分)

日(10時~12時、12時半~14時15分、14時45分~17時半)

最大収容人数:150人

・ベルシー(Bercy:12区):

毎日(10時~21時)

最大収容人数:700人、うちプール内は300人

執筆:マダム・カトウ

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