2025年4月4日(金)、今月2日より、英国入国に際し、フランス国籍を含むEU加盟国などビザ免除国の渡航者は「電子渡航認証(ETA)」の事前取得が義務付けけられました。英国への渡航者は、出発する空港、駅でETAの提示が必要となります。
フランスほかEU加盟国含む全欧州対象、アイルランドは除外
英国政府が短期ビザ免除国を対象に段階的に導入を開始した「電子渡航認証」は、今月からEU加盟国を含む欧州圏の国々も対象になりました。
日本、アメリカ、カナダ、オーストラリアほか、EU加盟国を含む欧州各国以外の国々はすでに今年の1月から対象になっていますが、今回で一気に34か国が追加されました。
イギリスに商用や観光、親戚や知人訪問、短期留学などの場合で6カ月以内の滞在で渡航する場合だけでなく、英国経由、ロンドン乗り換えで他国へ行く場合も必要になります。(変更の可能性あり)
対象者はあくまでビザ免除の渡航者で、就労や6カ月を超える留学や長期滞在など、ビザが必要な渡航者はこれまで通りビザの取得が必要です。ただしこれらのビザ保持者に関しては、ETAは不要になります。
英国政府、「国境の安全強化」を強調、とはいえ年間5億ユーロの税収
この仕組みが最初に導入されたのは2023年、対象国はカタールで、その後徐々に中東各国に広げられました。英国政府は国境の安全強化と共に「入国管理のデジタル化」による効率化を理由に挙げています。
2021年10月、イギリスのEU離脱に伴い、それまで自国の身分証明書(ID)だけで入国できていたEU加盟国の渡航者は、パスポートの提示が必要になりました。
さらに、今月からは「簡易ビザ」のような電子渡航証明書(ETA)の導入により、ユーロスターで気軽にロンドンを訪れていたフランス人にとって、手続きが煩雑になっただけでなく、費用もかかるようになりました。
年間4000万人がイギリス訪問、旅行業界は影響を懸念
イギリスを訪れる年間4,000万人の渡航者全員に、ETAにかかる12ユーロの手数料を課した場合、その合計はおよそ5億ユーロ(約830憶円)にのぼります。
ツアーガイドのマルゴ(Margot)さんは、「ちょっとロンドンに数日行くのに、パスポート申請に85ユーロ(約13,600円)、さらに12ユーロ加算されて高くつく一方」と嘆いています。
渡航費用や手間の追加は、英国、フランス双方の旅行業界への影響が懸念されています。
学校の文化交流にも影響必須
2023年12月にマクロン大統領と当時のスナク首相の会合で、仏英の子供たちの文化交流を強化することが発表されました。その影響でフランスの学校のイギリス訪問旅行は30%も増えています。今後学校関係の旅行は減るとみられています。
ロンドン~パリを結ぶ高速列車、ユーロスターを利用して行く「パリ発ロンドン日帰りツアー」は、パリ滞在中に気軽に行けることで人気でしたが、今後こういった旅行商品の売れ行きにも影響がでる可能性があります。
EUも2026年に「電子渡航認証」導入予定
実は、イギリスに次いでEU30か国でも、欧州渡航情報認証システム(仮名)(ETIAS : European Travel Information and Authorisation System)と名付けた同等の仕組みの導入を予定しています。
英国渡航ETAの取得方法、アプリのダウンロードを推奨
電子渡航認証(ETA:Electronic Travel Authorisation)は、短期(6カ月以内)ビザ免除国を対象に、渡航前のパスポート情報などを登録する仕組みです。
登録はごく簡単ですが、HPからの登録は入力画面へのアクセスに制限があり、待ち時間が表示されます。登録には25分ほどかかると記載されています。
アプリのダウンロードからの申請だと所要時間は10分ほど、「審査も早い」と推奨されています。
必要書類:
・パスポート
・デジタル証明写真
・質問への回答(犯罪歴、入国管理法違反など)
・手数料12ユーロ(約1,900円/1ユーロ=約160円)
※9日の申請より19ユーロ(約3,000円)に値上がり予定
※上記記載情報は予告なく変更されることがあります。詳しくは英国政府サイトへ
※フランス政府の英国渡航ETAサイト
日本は今年1月からすでにETA対象、渡航前の取得が必要
日本からのビザなし渡航にはすでにこのETAが導入されています。
審査はおおむねすぐに終わりますが、最低3営業日(イギリスの祝祭日、土日をのぞく)と公示されています。早めの申請が無難です。一度取得すると2年間有効ですが、途中でパスポートの期限が切れると再申請となります。
執筆:マダム・カトウ