2025年4月1日(火)、フランスの権威あるグルメガイド、ミシュランガイド(Guide Michelin)は、今年の1~3ツ星レストランリストを発表しました。今年はクリストファー・クタンソー(Christopher Coutanceau)氏とユーゴ・ロランジェール(Hugo Roellinger)の2人のシェフが、名誉ある最高評価の3ツ星を初めて獲得しています。
今年の新規受賞レストラン68軒、大盤振る舞い?かレベルアップか?
メス(Metz)のセレモニー会場にフランス中の星付きレストランのシェフが一同に集まって行われたミシュラングルメガイドの授賞式で、今年は昨年より24件も多いレストランが新たに星を獲得しています。
世界有数のこのガイドのダイレクター、グエンダル・プレネック(Gwendal Poullennec)氏は、今年の気前良さの理由として、「評価基準の変更」と「才能あるシェフが至るところにいる」ことを挙げています。
新規受賞レストランの半数近くが、オープンしてさほど経っていない新しいレストランであることは称賛に値するとともに、その裏付けになっています。
ブルターニュ地方初の3ツ星レストラン、ユーゴ・ロランジェール氏
今回の授賞式で注目を浴びたのは、西フランス、ブルターニュ地方(Bretagne)に19年ぶりに3ツ星レストランが誕生したことです。
実はロランジェール氏のお父さん、フランス料理界の大御所、オリヴィエ(Olivier)氏は健康上の理由で2008年にミシュラン3ツ星を返上しています。
父の後を継いだ37歳の息子、ユーゴ氏が今年再び3ツ星を獲得しました。
今回2ツ星から3ツ星に昇格したレストラン『ル・コキアージュ』(« le coquillage »)は、パリから450km、世界遺産モン・サン=ミッシェルからは車で50分ほどの サン=メロワール=デ=オンド(Saint-Méloir-des-Ondes)にあります。
海産物や野菜などおいしいものの宝庫で知られるブルターニュ地方、今回の発表で35軒ある星付きレストランのうち32軒が1ツ星、2軒が2ツ星、そして3ツ星1軒となりました。
ロランジェール(Roellinger)家は、スパイスショップ「エピス・ロランジェール」(”Épices Roellinger“)を経営しており、パリの中心部にあるショップはシェフやグルメ達が利用しています。
「クリストファー・クタンソ―」、2年ぶり3ツ星にカムバック
シェフ、クリストファー・クタンソー氏は、2023年に星を一つ落として2ツ星に降格、今回再び3ツ星に輝いています。
「漁師の料理人」と呼ばれる同シェフは持続可能な漁業の支持者で、高級魚からイワシまであらゆる魚介類を見事なグルメ料理にすることで知られています。
フランスのシェフたちにとって、ミシュランの星を獲得することは大変なことですが、維持することはそれ以上に難しく、一度落とした星を再獲得するのはさらに困難と言われています。
授賞式で同氏はこの2年間の苦難を共にしたサービス担当部長と共に舞台にあがり、「今日ここにいるのはお互いの妻のおかげ」と、偉業達成のために多大なる協力をしてくれた家族への感謝の意を表しました。
レストラン:Christopher Coutanceau
日本食が今年も大躍進、鮨屋がミシュランの星付きに
フランス料理において日本人シェフの名前が聞かれるようになってから久しく、その活躍ぶりには目覚ましいものがあります。
「日本料理」のほうはまだ歴史が浅いとはいえ、2015年にフランスではじめて日本食レストラン「あい田」(”Aida“)が1ツ星を獲得してから今年でちょうど10年が経ちました。
今年、新たにパリの鮨屋3軒がミシュランの星を獲得しています。
2ツ星 ”Sushi Yoshinaga“「鮨吉永」吉永友幸氏
1ツ星 ”Hakuba” 「白馬」寿司職人:渡辺琢也氏、「ソースの名人」アルノー・ドンケル(Arnaud Donckele)氏
1ツ星 ”Sushi Shunei” 「鮨俊英」Chizuko Kimura氏、寿司職人:Takeshi Morooka氏(2022年にも1ツ星授賞)
これをみると、いかに日本料理がフランスの食に浸透しているかがわかります。
ミシュラングルメガイド2025:全リストはこちら
執筆:マダム・カトウ