フランスのインフレ率2%に後退、物価高は終わったのか

2025.01.17

2024年1月17日(金)、2024年の平均物価上昇率(インフレ率)は2%とフランス国立統計経済研究所(L’Institut National de la Statistique et des Études Économiques :インセ)は算出しています。しかしながら、スーパーで買い物すると、確かに値下がりした食料品もあるなか、オリーブオイルなど一部の商品は大幅に値上がりしています。

 

数値上は「物価高は一服」も、高くて買えない

昨年のインフレ率は1.8%で、一昨年の4.8%、2022年の5.2%と過去二年間にくらべ物価の上昇が緩やかになったことが15日のインセの発表で明らかになっています。

しかしながら、価格の上昇率は購入するものにより大きな差異があります。

オリーブオイル、チョコレート、干ばつによる生産減で価格高騰

大幅に値上がりした食料品の筆頭は、オリーブ油(+28%)で、これは欧州最大の産地であるスペインの生産減が原因です。

EUにおけるオリーブオイルの約65%を生産するスペインでは、昨年その産地であるアンダルシア地方及びカタロニア地方が干ばつに見舞われ、前年の生産量149万トンからその半分以下の68万トンに減っています。

14%のシェアがあり、質の良いオリーブオイルで知られるイタリアでも、昨年の生産量は前年比で14%減っています。生産量第3位のギリシャは生産量を42%も増やしましたが、上位2か国の生産減を補うには至りませんでした。

チョコレートも主要生産国での不作によるカカオ高騰で昨年10%値上がりしています。ちなみに昨年一年間でカカオの取引価格は倍に跳ね上がっています。

昨年は電気、ガス代などの光熱費も約10%値上がりしています。すでに2023年から24年にかけて9.5%値上がりしているため、さらなる値上げが物価を押し上げ、家計にも重くのしかかっています。

ただし、今年に関しては、フランス政府の発表によると値上げはないとみられています。

 

2024年、値下げされた品目は?

一方、値下げされた食料品は、冷凍フルーツ、マーガリンやピーナッツバター(−6.9%)、トウモロコシ、大豆など、オリーブオイル以外の食用油(-7.3%)などです。

家庭用の燃料、灯油や薪木、暖炉用の固形燃料なども値下がりしています。

ガソリンは値下げ後再上昇

肝心のガソリンは23年に比べ値下がりし、昨年9月~10月の2ヵ月間は軽油が1リットルあたり1.6039ユーロ(約257円/1ユーロ=約160円)、ガソリンが1.7448ユーロ(約280円)でしたが、その後再度値上がりし、今年の夏には再びそれぞれ1.7ユーロ(約273円)と1.8ユーロ(約289円)を越えるとみられています。

美術館、動物園の入園料などわずかに上昇

映画館や劇場などの娯楽施設の料金は安定しており、値上げは美術館や動物園の入場料などで平均1%上昇しています。

携帯電話の基本料金、大幅値下げ

昨年最も値下がりしたのは携帯電話の契約料で、平均26%値下がりしています。その一方、固定電話の料金は12%上昇しています。

執筆:マダム・カトウ

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