2024年1月15 日(水)、フランスの人口は昨年1年間で17万人増えたものの、出生率は過去最低と他の先進国同様、高齢化が進んでいることがフランス国立統計経済研究所(L’Institut National de la Statistique et des Études Économiques :Insee(インセ))が年始に発表した人口統計で明らかになっています。
人口増も伸びは過去最低
2025年1月1日時点のフランスの人口は約6860万人、うちインセの推定で6680万人がフランス本土及びコルシカ島に、230万人が海外県に住んでいます。
確かに1年前と比較して+0.25%、169,000人増えたものの増加率は過去最低を記録しています。
インセの統計を見ると、今から43年前、1982年のフランスの人口は約5,557万人、翌年83年には約33万人(+6%)も増加しました。コロナ禍前の2018年から19年の間に約26万人、21年から22年の間に36万人と大幅増になったものの、23年には18万人と初めて20万人を切っています。
人口増のほとんどは移民
人口増に貢献しているのは移民で、フランスからの出国数と入国数の差分が2024年は+159,000人、つまりその分人口が増えたことになります。
2024年、出生数と死亡数がほぼ同じ
今から60年前、フランスがベビーブームだった時期は、毎年出生数が死亡数の2倍もありました。
2024年にフランスで生まれた赤ちゃんは663,000人ですが、死亡した人の数は646,000人と、その差はわずか17,000人増にすぎません。ちなにに2022年の時点で51,000人増だったことを考えると、その差が急速に縮まっていることがわかります。
昨年の出生率は戦後最低で、前年から2.2%減を記録しています。
一方、死亡率は対前年で1.1%増えていますが、これは1946年から74年の間に生まれた世代が死亡する年齢に到達しはじめたためで、これをみても寿命が延び、社会の高齢化が進んでいることがわかります。
減少の一途をたどる出生率
20歳から40歳のフランス人女性の人口は2016年以降わずかに増えています。にもかかわらず出生率が増えないのは、子供を産む数が少ないからです。
2024年のフランスにおいて1人の女性が一生のうちに産む子どもの数は1.62人と1919年、第一次世界大戦後最低数を記録しています。また、出産の高齢化は進んでおり、すでに15年前から30歳~34歳の出産数は25歳~29歳を超えています。
フランス人男性の平均寿命初めて80歳に
フランス人女性の平均寿命は85.6歳で、これはスペインに次いで欧州第2位ですが、昨年男性の方は初めて80歳、欧州第11位となっています。
結婚は増、パクスは減少傾向
昨年結婚した人の数は前年比2%増の24,7000人(内7000人は同性婚)、過去15年間で最高数でした。
一方、異性または同性と共同生活を行うカップルを対象とする民事連帯契約(Pacte Civil de Solidarité:Pacs)は2022年から23年で3%減になっています。(24年の数値は未発表)
執筆:マダム・カトウ