フランス物価高騰で「家計は苦しい」それでも夏はバカンスに

2023.06.06

フランンス、インフレでも夏はバカンスに

2023年6月6日(火)、フランスはあと一ヶ月ほどで今年の夏のバカンスシーズンを迎えます。インフレによる物価高で家計は楽ではありませんが、それでも多くの人がバカンスに出かけるようです。

 

予算減、期間短縮も、バカンスは「聖域」

ヨーロッパ・アシスタンス社(Europe Assistance)の調査によると、フランス人の4人に一人は今年も夏のバカンス旅行に出かけるようです。

ただし、今年はいつにも増して「予算を厳しく管理」するため、フランス人の26%は友人や家族の家で過ごすことにしています。ちなみにこの数字はヨーロッパ全体の平均値21%を上回っています。

南仏より割安な北西フランスへ、猛暑も警戒

個人のアパルトマンや家の賃貸サイト、アブリテル(Abritel)によると、今年の夏はフランス北西部や北部のパ=ドゥ=カレー(Pas-de-Calais)地方、西部のロワール=アトランティック(Loire-Atlantique)地方の海岸部の予約が例年より25%も多くなっています。

例年夏のバカンス地として南仏、南西フランスの海岸沿いが人気ですが、北部、北西部の方が宿泊料が安いため、今年は予約が増えたようです。

また、昨年の夏はパリ市でも40度を超える猛暑だったことから、南仏を避け比較的影響の少なかった北西部が注目されるようになりました。

 

最も高い時期を避け、7月上旬と8月末が人気

バカンスに出かけるフランス人のうち、2,500万人は何かしら宿泊施設を利用しますが、うち600万人の予算は例年より低くなっています。

そのため、滞在期間を短くしたり、行き先をより近場にするか、もしくは割引キャンペーンを行っている宿泊施設にするかといった選択に迫られます。

フランスツアーオペレーター協会(Syndicat des entreprises du Tour Operating)によると、今年は料金が最も高い7月中旬から8月中旬のハイシーズンを避け、比較的安い7月上旬、8月後半の予約が増える傾向が見られています。

また、飛び石連休や連休の多かった5月は、ギリシャの島々、スペインのバレアレス諸島(マヨルカ島など)、およびチュニジア行きの予約が前年比で35%以上増えています。

旅行業コンサルタントの専門家ディディエ・アリノ(Didier Arino)氏は、今年ほどいろんな人から「私はバカンスに行くために働いている」という言葉を聞いた年はないとコメントしています。

 

一世帯当たりの予算1,809ユーロ、19年より18%減

ユーロアシスタンス社が1,000人に行ったアンケートによると、今年は「バカンスに出かける」と答えた人が78%と、昨年の74%よりも4ポイント増えています。

一方、世帯当たり(平均2.5人)の予算を見ると、2019年の2,201ユーロ(約330,150円/1ユーロ=約150円)から今年は1,809ユーロ(約271,350円)と392ユーロ(約58,800円)も減っています。

ちなみにインフレが今年ほど顕著でなかった昨年22年も予算は減少傾向でした。

物価上昇は回答者のほぼ全員の「最大の関心事」で、52%の人は「バカンス中にお金が足りなくなる」心配をしています。

今年はどんなバカンスになるでしょうか?

執筆:マダム・カトウ

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