2024年11月29日(金)、12月はクリスマスムードで盛り上がるフランスですが、1日からガス代、医者の診察料などが値上がりします。
医者の診察料が値上げ、ホームドクター・専門医
12月1日より、内科医(généraliste)の診察料が、現行の26.50ユーロ(約4,220円/1ユーロ=約159円)から30ユーロ(約4,770円)に引き上げられます。6歳未満の子供の診察料は現行の31.50ユーロ(約5,000円)から35ユーロ(約5,600円)になります。
フランスの法定の健康保険に加入している場合、この金額の70%が保険で支払われ、本人負担は30%になります。ホームドクターに指定していない医師の場合、診察料から2ユーロ引かれた額の70%が返金されます。(まず本人が全額支払い、あとから返金)
さらに、この機会に専門医の診察料も軒並み値上げされるようです。
フランスの診察料は社会保険庁と医者で結ばれる協定に従う一律の診察料ではなく、セクター1、2、3と呼ばれる3段階にわかれています。
セクター1の医師は協定に従う診察料を設定していますが、専門医になるとこのセクターの開業医は皆無で、実際はセクター2以上、つまり協定以上の料金を設定している医師がほとんどになります。
健康保険はあくまでも協定の診察料に基づく返金しかしないため、専門医に行くにはかなりのお金がかかることになります。
そのため「ミュチュエル」(Mutuelle)と呼ばれる民間の保険(企業健康保険)に加入することが一般的で、企業に就職している場合は、企業が保険料を半額負担する仕組みになっています。
せっかく下がったガス料金、再び値上がり
11月に前月比で1.18%下がっていたガス代は、12月から平均して2.5%値上がりし、ガスコンロ用で1kWh あたり0.14941ユーロ(約22円)、暖房用で0.13034ユーロ(約21円)になります。
ホテル・レストラン業界の最低賃金、法定を超え微増
人出不足が慢性化するホテル及びレストラン業界、この業界の労働協定の最低賃金が、法定の最低賃金(Smic) の 11.88ユーロ(約1.881円)を初めて超え、12ユーロ(約1,900円)に設定されました。
時給がわずか0.12ユーロ(約19円)上がったにすぎないとはいえ、土日や夜のシフトがある、立ち仕事、肉体労働で「きついわりに賃金が低い業界」という長年のイメージから脱皮する第一歩ということで、意味はあるとみられています。
大学入学願書申請プラットフォーム”Parcoursup”、2025年分がアップデート
高校卒業資格取得者、または予定者のうち、大学などの高等教育機関への進学を希望する学生が利用する『パルクールシュップ』(Parcoursup)と呼ばれるサイトが更新され、来年入学を受けつける学校の情報が12月18日から検索できるようになります。
今年も約23,000の学校が登録されています。
願書受付は来年の1月15日からとなります。
基本的に大学入試のないフランスでは、願書はあくまでも希望にすぎず、送った後は大学側が形成する選別委員会等で選別されるため、結果を待つだけとなります。
そのためプラットフォーム上で希望の学校を選んだあと、学校の成績表や教師と校長の推薦書といった必要な書類のほか、志望動機を書いたレター、さらに趣味や特技、ボランティア活動といった選抜に有利になるような校外活動も記載して送信します。
今年の所得税の修正、12月4日まで
今年の所得税の申請はすでに終了していますが、税務署から送られてきた税額に対し、申告漏れなどの修正依頼を行うことができます。
最終期限は12月4日です。必要な方はお急ぎください。
執筆:マダム・カトウ