2024年1月22日(月)、フランス最古の動物保護団体「動物保護協会」(Société protectrice des animaux:SPA)は、2023年45,000匹の動物を保護しました。これは前年22年から1.5%上昇しています。保護された動物の中には、犬や猫以外の新種のペットもあり、気軽に購入したものの飼育が困難で捨てられるケースも増えています。
捨て犬、捨て猫が「流行?」、動物保護団体は警鐘
昨年飼い主に捨てられたり、虐待された動物のうち、動物保護協会(SPA)が保護した数は44,844頭でした。
これは2019年の過去最高数にほぼ匹敵する数で、前年比で1.5%増えています。
一方、保護された動物を引き取るホストファミリーの数は「減少に転じている」と、同団体は発表しています。
SPAが昨年保護した動物の内訳は:
猫: 28,652匹
犬: 13,124匹
新種のペット(NAC:nouveaux animaux de compagnie)と呼ばれる動物:ウサギ、モルモット、野ネズミ、ハムスター、フェレット他):174匹
上記以外に数匹の家畜も保護されています。
動物保護センター、引き取り先減で一年中満杯
一方、2023年にホストファミリーに引き取られた動物の数ですが、猫が25,228匹、犬が12,476匹、新種のペットが2,767匹の合計40.587匹で、前年22年に比べ1.5%減っています。
そのため、動物保護協会のフランス全土にある64か所の保護センターは、昨年1年を通して満杯でした。
唯一改善したのは、一度新しいホストファミリーに引き取られた動物がその後返却される割合で、2023年は3.2%と22年より0.7%減少しました。
新種のペットや飼育が難しい犬が流行、コモディティ化される動物たち
動物保護協会は、特に近年新種のペットの保護数が増えたことを問題視しています。
つまり、見た目が可愛らしいこれらの小動物たちは、後先考えない「衝動買い」を促しているというわけです。
クリスマスに買って、夏のバカンスに捨てる
また、飼育が難しいベルジアン・シェパード(malinois)やオーストラリアン・シェパード(bergers australiens)が「流行りの犬」になっていることも、保護センターが満杯になる原因の一つになっています。
協会は、ペットを「クリスマスプレゼントに買って、夏のバカンス前に捨てる」というショッピング感覚で購入する人が多いと警鐘を鳴らしています。
まるで使い捨ての消耗品のように半年後に捨てられるペットたち、中にはまだ購入した時のローンを払い終わらないうちに手放すケースもあります。
動物を飼い主の虐待から守る、国とタッグチーム
インフレの影響もあり、動物保護の必要性は増える一方ですが、動物保護協会は特に動物虐待防止のため、2023年、内務省と農業省と「歴史的な」タッグチームを組んで対策に取り組んでいます。
昨年、協会のボランティア1,139名が2,700件の通報を受け、うち17,900件の調査を行っています。このおかげで約3,900匹の動物たちが虐待を行う飼い主から保護されました。
執筆:マダム・カトウ