日が長くなり、ずいぶん春らしくなってきました。
現在パリでは学校休暇(バカンス・スコレールと呼ばれるもの)が始まっています。子ども達の通う学校をはじめ大学や語学学校なども、この期間は休みになります。
これは日本で言うところの春休みに当たるもの。つい先月、冬休みがあったばかりなのに、また!? と驚きますが、そこはバカンスの国フランス。みなさん旅行や帰省など様々な日程を立てて楽しんでおられます。
地域によって異なる?フランスの不思議なバカンス日程
ところでこの学校休暇、フランスでは住んでいる地域によって日程がまちまちなのです。それは夏のバカンスやクリスマス休暇以外の学校休暇について、全土を3つのゾーンに分けて異なる日程が設定されているから。例えば、2017年のゾーン分けと春休みの日程は以下の通りです。
zone A・・・ボルドー、マシフ・サントラル、リヨンなどフランス中部:4月16日〜5月1日。
zone B・・・レンヌ、ナント、ナンシーなどフランス北部と、マルセイユ、ニースなどフランス南部の一部の地域:4月9日〜4月23日。
zone C・・・パリを含むイル・ド・フランスと、モンペリエ、トゥールーズなど南西フランス:4月2日〜4月17日。
ちなみに パリはzoneC ですので、現在バカンスの真っ只中。街を歩くと、平日のお昼でも楽しそうに家族でお出かけする子ども達の姿を多く目にするようになりました。
さて、この異なるバカンス日程、気になるのはその理由。国の中でもバカンスの日程が異なると、地方の家族の元に帰省するときなど不便なことになりそうなのに、どうしてこのようなシステムになっているのでしょうか?
それはズバリ快適にバカンスを過ごすため!
バカンスの時期が集中すると一部の人気リゾート地が激混みになり、移動も大変になるということで、日程が3つのゾーンに分けられているそうです。このシステムは1971年に始まり、ゾーンの数を変えて試行錯誤が繰り返され、2015年に今の3つのゾーンに分けることが決まったそうです。フランス人のバカンスへの情熱には驚かされるばかりですね!
どう過ごす?フランスの学校休暇
さてさて、次から次へとやってくるフランスの学校休暇。各家庭ではどのように過ごしているのでしょうか。
夏のバカンスやクリスマス休暇は家族みんなで過ごすのが一般的ですが、学校休暇はあくまでも子ども達や学生のための休暇。大人はいつも通り仕事がありますので、子ども達だけで祖父母や親戚の家を訪ねることも多いようです。知り合いのフランス人家族も、小学生のお子さんが「おじいちゃん、おばあちゃんの家に行く!」と楽しみにしていましたが、残念ながらお父さんとお母さんは仕事です。年の近い従兄弟達といっしょに子ども達だけで滞在するとのことでした。
他にも、お稽古に力を入れている家庭では、この時期に集中的にコースを受講したり、新しく習い事を始めたりする子ども達もいるようです。もちろん家族そろってバカンスを取り、旅行に行く家庭もあります。暖かくなったこの時期には、アルプス登山なんていうアクティブな計画を立てておられる家庭もありました。
最後に
7月からはいよいよ2ヶ月の大型バカンスが始まります。休暇が多くて羨ましいフランスの子ども達(と、先生達)。遊ぶ時は心置きなく思いっきり!とばかりに、生き生きとバカンスの予定を話してくれる姿を見ていると、人生を楽しむコツが少しだけわかってくるような気がします。
執筆 Nahoko