フランスにも産地直売の人気が見られるようになったと以前書きましたが、その傾向はますます強くなっています。しかも食料品に留まらず、カルチャーの世界にも押し寄せているのです。
その土地のアートをまとめて売る「キルティ」
例えば2年前フランス北部で誕生したキルティ(Kilti)は、土地のアーティストによる作品やパフォーマンスをパッケージにして売る、というアートの地産地消を目指しています。今では拡大して、パリ版、ベルギー・ブリュッセル版、フランス北部海岸沿い版なども登場。
セットの中身は…
キルティのセットには、中身がすでに決まっているMaxi(マクシ)、Mini(ミニ)のほか、自分で中身を選べるア・ラ・カルトなどがあります。それぞれ、オリジナルデザインのバッグ入り。
最新のキルティ・ミニセット ©M.Gargasson
マクシに入っているのは、
・アート作品(CDやDVD、本など)2つ
・展覧会やコンサートなどのイベント2つの入場券×2人分
・アーティストたちと語らえる夕べへの招待状
ミニだと、アート作品とイベントがそれぞれ1つだけになります。
セットが出るのは、1年に4~5回。今は6月8日に出たばかりのキルティセットを販売中です。値段はマクシが49ユーロ、ミニが25ユーロ。それぞれ1年分予約したり、複数の人数で予約すれば、もう少し安くなります。
キルティカタログ ©KanmuriYuki
しっかりしたヴィジョンと強いエネルギー
キルティはアソシエーションの形を取っており、運営しているのは若い学生たちです。彼女たちのヴィジョンはなかなかしっかりしていて、地方在住のアーティストたちに発表の場を与え、ひいては地方自体の活性化につなげたいと考えています。
購入する側から見ても、自分の住む土地を再発見するまたとない機会になるでしょう。さらにアーティストの話を直接聞けるのも、大きな魅力です。
先日、キルティとそのパートナーたち(劇場関係者やアーティスト)の活動報告の集まりに行ったところ、下の写真のようなアクロバティックなパフォーマンス披露もついてきて、そのエネルギーの強さを感じました。
アーティストのパフォーマンス ©KanmuriYuki
お楽しみ袋やプレゼントにも
キルティによれば、今のところ顧客は女性優勢で、年齢層は25歳から45歳が主だそうです。なにかイベントへ行きたいけれど、選べない….という人は、お楽しみ袋を買う気分でキルティを試してみるといいかもしれません。
また12月だけは子供向けのキルティも発売されるそうで、クリスマスプレゼントとしても面白いかもしれないなぁ、と思いました。
今後の広がりに期待!
アートの地産地消運動、どこまで広がるでしょうか。今後も見守りたいと思います。
キルティの最新情報はFacebookページからどうぞ。
執筆 ゆき