仏検準1級と1級の筆記試験で1問目に出題されるのが「名詞化」です。難易度が高く、いきなりお手上げとなる受験者もいるようですが、ここでの得点率を上げて勢いをつけられると合格に一歩近づきます。
そこで今回は、仏検準1級と1級の名詞化の問題をそれぞれ解くコツについてお伝えします。
仏検の名詞化の問題について
仏検の準1級・1級では、動詞や形容詞を名詞化して別の文章に書き換える問題が出てきます。
準1級の配点は筆記試験80点満点中10点(5問×2点)、1級は100点満点中12点(4問×3点)です。配点がやや高めなので、取りこぼさないようにしたいですね。
準1級は、Aの文中にある動詞や形容詞、副詞を名詞化して、同じ意味になる単語をBの文に入れる問題。1級は問題文の動詞を、名詞を使った表現に変えて同じ内容となる文に書き換える問題です。
準1級は名詞化された単語がわかれば解答できるのに対し、1級は名詞化だけでなくフランス語の文を完成させなければなりません。やはり1級はかなり難易度が高いと言えるでしょう。
仏検準1級の名詞化問題は「冠詞」にも注目!
仏検準1級は、Aの文中の動詞や形容詞などを名詞化させてBの文に当てはめます。ですから、どれだけ名詞化された単語を覚えているのかがポイントです。過去問を解いたり、長文の動詞や形容詞の名詞を調べて書き出したりして覚えていきましょう。
名詞化問題の対策本としておすすめの『フランス語名詞化辞典』の例文を見ながら、ひたすら覚えていくのも勉強法のひとつです。
もし暗記していない単語が出題された場合は、冠詞にも注目してみてください。冠詞が男性形であれば、名詞も男性名詞とわかるため接尾辞は-age、-ment、-isme、-eauなど。冠詞が女性形であれば、接尾辞は-sion、-tion、-té、-ence、-ance、-esse、-tude、-ureなど、と絞り込めるかもしれません。
もちろん不規則なものも多く、接尾辞のない単語もありますから、基本的には名詞化された単語を暗記するのがもっとも効率的です。
仏検1級の名詞化問題は「作文力」が必要
仏検1級では、問題文の動詞や形容詞を名詞化して、同じ意味になるように文を書き換えます。
名詞化された単語を使うことで、たとえばPourquoi〜?から始まる疑問文を Quelles sont les raisons〜?に書き換えるなど、意味が通じる文にするための発想の転換がポイントになります。
問題文の単語を名詞化したら、それに応じた動詞を使用したり、前置詞を加えたりしなければなりません。また主語を変えたり、能動態を受動態にしたりといった工夫が必要になり、フランス語の作文力が問われます。さらに時制や名詞の性と数の一致などの知識も必要です。
そう考えると、仏検1級の名詞化の問題はかなり高難度に感じられます。正答もひとつとは限りません。ですが、基本は名詞化された単語を使って問題文を組み立て直すこと。普段から名詞を使ったフランス語文を作るよう心がけてみてください。名詞化することに慣れれば、文章を書き換える発想力も身についていくでしょう。
名詞化問題の対策は暗記が大切
仏検準1級と1級の名詞化の問題は、とにかく名詞を暗記することが大切です。過去問や参考書を使って、コツコツと覚えていきましょう。名詞を使ったフランス語作文もやっていくと、和文仏訳問題の対策にもなります。
アンサンブルフランセでは、仏検準1級以上に対応したレッスンが可能です。分からないところはレッスンで講師に質問して、仏検に向けて準備を整えてくださいね。
執筆:こと