2021年に願いを込めて!新年におすすめのフランス語の詩2選

2020.12.29

新年の詩1新型コロナウイルスの発生で世界的に大混乱となった2020年もようやく終わりです。来年が良い年になるように祈りを込めて、今回は新年にふさわしい2作のフランス詩をご紹介します。

 

歌曲にもなっているクレマン・マロの愛の詩

クレマン・マロClement Marot ) は15世紀のフランス詩人です。パリ大学で法学を学んでいましたが、当時詩人として名声の高かった父親に指導され詩を書き始めたと言われています。

新年の詩2今回は、歌曲「アンヌへの贈り物」Estreines à Anne ) という詩をご紹介します。ルーマニアの作曲家兼ヴァイオリニストであるジョルジュ・エネスコ ( George Enescu ) が歌曲にしています。

新たな年を迎えてなお、ひとりの女性への愛を再確認するという内容です。愛をテーマに新年を迎えるというのも素敵ですよね。この詩の歌曲はYouTubeなどでも視聴できますので、ぜひお正月にどうぞ。

今から約500年も前に書かれた詩なので、現在と比べると使われているフランス語がかなり違います。心」を意味する cœur のスペルも cueur となっていて、「本当の」という意味の vrai は vraye となっています。「言語は時とともに変化するもの」ということが実感できますので、ぜひこの機会に触れてみてください。

Estreines à Anne Clement Marot

Ce nouvel an pour Estreines vous donne
Mon cueur blessé d’une novelle playe.
Contrainct y suis; Amour ainsi l’ordonne,
En qui un cas bien contraire j’essaye;
Car ce Cueur là,c’est ma richesse vraye;
Le demeurant n’est rien où je me fonde;
Et fault donner le meilleur bien que j’aye
Si j’ay vouloir d’estre riche en ce monde.

日本語訳:アンヌへの贈り物 クレマン・マロ

この新たな年の贈り物としてお前に捧げよう
私の心 新たに傷をつけられたこの心を。
そうせずにはいられないのだ、愛が私に命ずるのだから。
そうしないよう、いかなる時も努めてきたのに。
なぜというならこの心、この心だけが私の真の財産で
これの他、私には何もないのだから。
捧げなければならないのだ。私の持つこの最高の財産を
この世で豊かでいたいと願うなら。

 

皆の幸せを願って謳った希望がいっぱいの詩

トリスタン・ドゥレームTristan Derème ) は1881年に生まれたフランスの詩人です。日本ではあまり知られていませんが、1938年にはアカデミー・フランセーズ文学大賞 ( le Grand Prix de Littérature ) を受賞しています。

新年の詩3ご紹介する詩は、地球上に生きる全ての人の幸せを願って謳われ、とても希望に溢れた優しい詩です。2021年が良い年になるように願いを込めてご紹介します。

Bonne année Tristan Derème 

Voici la nouvelle année
Souriante, enrubannée,
Qui pour notre destinée,
Par le ciel nous est donnée :
C’est à minuit qu’elle est née.
Les ans naissent à minuit
L’un arrive, l’autre fuit.
Nouvel an ! Joie et bonheur !
Pourquoi ne suis-je sonneur
De cloches, carillonneur,
Pour mieux dire à tout le monde
À ceux qui voguent sur l’onde
Ou qui rient dans leurs maisons,
Tous les vœux que nous faisons
Pour eux, pour toute la Terre
Pour mes amis les enfants
Pour les chasseurs de panthères
Et les dompteurs d’éléphants.

日本語訳:新年 トリスタン・ドゥレーム

新しい年が来た!
笑いながら、リボンを巻いて。
それは我々の生活に
天が与えたもうもの。
年は夜に生まれるもの。
やってくれば、前の年は去っていく。
新年!喜びと幸福!
なぜ私は鐘を鳴らす者、
カリヨンを鳴らす者でないのだろう。
全ての人のため、
航海する者たちにも
家で笑う者たちにも
彼らのため、地球の全てのもののために
友達にも子供たちにも
豹を追う者たちにも
像の調教師たちのためにもする
我々の願いに幸あれ、と告げるための。

 

まとめ

2詩ご紹介しましたが、特にトリスタン・ドゥレームの詩は新たな年を迎えるのにぴったりかと思います。この詩を読んだ皆様が、少しでも希望的な気持ちになれたらと願っています。良いお年をお迎えください。

執筆者 ちはる

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