家で楽しむクリスマスの過ごし方!この時期おすすめのフランス詩2選

2020.12.21

クリスマスの詩だんだんとクリスマスが近づいてきましたがが、今年は新型コロナウイルスの影響で外出を控える方も多いかと思います。そこで、自宅でクリスマスの詩を読んでみるのはいかがでしょうか?今回はテオフィル・ゴーティエ  ( Théophile Gautier ) アルマン・シルヴェストル ( Armand Silvestre ) の詩をご紹介します。

 

キリストの生誕を謳ったゴーティエの「ノエル」

テオフィル・ゴーティエ ( Théophile Gautier ) は18世紀のフランスで生まれた詩人です。詩だけでなく小説や評論など多くの作品を残しました。当時主流であったロマン主義に反発し自身の感情を吐露するのではなく、絵画のような物事の形態や色彩の美しさを言葉で表そうとしました。

詩人ボードレールはゴーティエのことを「十全無瑕の詩人にして完璧なるフランス文学の魔術師テオフィル・ゴーチエ」と評しています。

クリスマスの詩2ゴーティエの「ノエル ( Noël ) 」はキリストの生誕の様子を書いた4行4節の短い詩です。描写が生き生きとしているので、読んでいると絵画を見ているような気分になります。また、イエスの生誕がどのように行われたのか、そしてみんなから祝福されている様子を感じることが出来ます。

“Noël”  Théophile Gautier

Le ciel est noir, la terre est blanche ;
— Cloches, carillonnez gaîment ! —
Jésus est né ; — la Vierge penche
Sur lui son visage charmant.

Pas de courtines festonnées
Pour préserver l’enfant du froid ;
Rien que les toiles d’araignées
Qui pendent des poutres du toit.

Il tremble sur la paille fraîche,
Ce cher petit enfant Jésus,
Et pour l’échauffer dans sa crèche
L’âne et le bœuf soufflent dessus.

La neige au chaume coud ses franges,
Mais sur le toit s’ouvre le ciel
Et, tout en blanc, le chœur des anges
Chante aux bergers : « Noël ! Noël ! »

訳:ノエル テオドール・ゴーティエ

空は黒、地は白く。
ー鐘よ、陽気に鳴り響け!ー
キリストの誕生だ、ー聖母マリアは
愛らしいその御顔を覗き込む。

寒さから子を守る
花綵装飾の壁もない。
蜘蛛の巣が、
屋根の梁から垂れている。

子は新藁の上で震えている。
この愛しい子、キリストは。
厩で子を暖めようと、
羅馬や雄牛が息を吐く。

雪は自らの房飾を藁葺小屋に縫い付ける。
だが空は屋根に開かれて
全てが白く、天使の聖歌隊が
羊飼いに歌っている。「ノエル!ノエル!」と。

 

多くの歌曲になったシルヴェストルの「ノエル」

アルマン・シルヴェストルは18世紀のパリ生まれの作家です。エコール・ポリテクニーク ( École polytechnique ) で学んでいたこともあり、晩年は金融省でも出世をしました。社会的な地位と文学的な地位の両方を手にした人物です。

この詩もキリストの生誕をテーマにしていますが、ゴーティエの「ノエル」とはまた違った美しさがあります。タイトルの通り、愛に富んだ優しい詩でクリスマスにもピッタリです。

シルヴェストルの詩の優美さに心を打たれたフォーレなど多くの作曲家が、彼の作品に曲をつけています。今回ご紹介した以外にも美しい歌曲になっている詩がたくさんありますので、機会があれば聴いてみてください。

“Noël d’amour”  Armand Silvestre

NOËL ! — En voyant, dans ses langes
L’enfant radieux que tu fus,
On m’a raconté que les anges
Ont cru voir renaître Jésus.

De l’azur déchirant les toiles,
Ils volèrent du fond des cieux,
A leur front portant des étoiles,
Des fleurs dans leurs bras gracieux.

Devant ton seuil fermant leur aile
Ils chantèrent si doucement
Qu’on eût dit une tourterelle
Qui soupire après son amant.

Et, le long de ta porte close,
Ils laissèrent, en s’en allant,
Le cœur entrouvert d’une rose,
L’urne penchante d’un lys blanc.

On les porta près de ta couche
Sans savoir qui te les offrit ;
La rose resta sur ta bouche
Et sur ton sein le lys fleurit.

Leurs âmes, des cieux exilées,
Demeurèrent dans l’air charmé
Et, de leurs haleines mêlées,
Se fît ton souffle parfumé.

Ensuite vinrent les Rois Mages
Par le vol des anges trompés,
Pour t’offrir aussi leurs hommages
Dans des coffrets enveloppés.

Barbus comme des patriarches
Et mis comme des nécromans,
Ils déposèrent sur les marches
Des perles et des diamants.

A ton berceau des mains portèrent
Pour toi ces bijoux précieux ;
Les perles à tes dents restèrent
Et les diamants dans tes yeux.

Moi, je ne suis que l’humble pâtre
Après les Anges et les Rois
Qui vient s’agenouiller à l’âtre.
Une fleur morte entre les doigts !

「愛のノエル」 アルマン・シルヴェストル

ノエル!産着に包まれた
光り輝く君は神子
人々は言いました
天使がキリストの復活を見たようだと

空のテントを引き裂いて、
天使は空の奥からやってきた、
額には星を付け、
優雅な腕には花束が!

戸口の前で、羽を閉じ
とても優しく歌いました
キジバトが
愛する者に焦がれるように。

閉じた扉の前に沿って、
天使たちは去る前に、残していきました。
開きかけた薔薇の心と、
白い百合の吊り花瓶を。

それらはあなたの寝床へと。
誰に差し出されたのかもあなたは知らない。
薔薇はあなたの口元に、
そして、あなたの胸に百合が咲く!

彼らの心、追放された空たちは
魅惑の風に留まって
そして、入り混じった彼らの呼吸は
芳しい吐息となる。

それから三賢者が訪れた。
騙された天使たちに連れられて
包装された箱に入っている
彼らの賛辞をあなたに伝えるために。

族長のように髭を生やして、
それはまるで降臨術、
彼らはその歩を進める中、
真珠とダイヤを置きました。

あなたの揺り籠に、
それら貴重な宝石たちが置かれました。
真珠は歯に、
ダイヤは目に。

私、私はと言えば、しがない羊飼い。
暖をとりにきた
天使と賢者が去った後、
指の間に枯れた花!

 

 まとめ

クリスマスの詩を読んでいるだけでもイエス・キリストの誕生がいかに祝福されキリスト教徒の方にとってどれほどノエルが大切なのかが分かるような気がします。皆様もクリスマスにぜひフランス詩に触れてみてはいかがでしょうか。

執筆者 ちはる

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