3月20日は「国際フランコフォニーの日」フランス語話者は2065年に10億人へ

2023.03.22

3月20日は「国際フランコフォニーの日 la Journée internationale de la Francophonie」でした。フランコフォニーとは何か?世界にはどのようなフランス語話者がいるのか?ぜひ一緒に考えてみましょう。

 

Francophonie とは

大文字で始まる Francophonie(フランコフォニー)は、広義にはフランス語話者の共同体を意味します。

フランス語を公用語とする国の国民だけでなく、さまざまな目的でフランス語を使用する・学習する人々を含む概念です。

OIFと「国際フランコフォニーの日」

国際フランス語圏機構(Organisation Internationale de la Francophonie, OIF)は、フランス語の振興と、加盟国・政府の政治的、教育的、経済的、文化的な協力を推進するための非政府間組織です。

OIF憲章は1997年に起草、1997年にフランコフォニー首脳会議(Sommet de la Francophonie)で承認され、現在まで引き継がれています。

OIFの参加国には、多くの国民がフランス語を母語とする国(フランスなど)、フランス語を公用語とするが多数派の国民の母語はフランス語ではない国(スイスや、西アフリカ諸国など)、オブザーバー国にはフランス語が外国語の国(メキシコ、ポーランドなど)などが含まれます。

「国際フランコフォニーの日」は、OIFの前身である文化技術協力機構(Agence de Coopération Culturelle et Technique)が1970年3月20日、ニジェールのニアメで結成したことを記念してつくられました。

現在はOIFを中心に、3月20日前後の数日間が「フランコフォニー週間」として世界各地で祝われています。

フランコフォニーとフランス

フランスはミッテラン政権(1981-1995)期から対外政策に Francophonie を組み込みます。

今年もフランスのマクロン大統領がOIFのルイーズ・ムシキワボ(Louise. Mushikiwabo)事務総長を訪問し、フランス語の振興とフランス語話者の活躍にむけて話し合いました。

1986年以降は、フランコフォニー首脳会議が2年ごとに行われ、フランスにとって重要な外交手段となっています。2022年11月にはチュニジアで開催され、次回は2024年にフランスで開催予定です。

フランス語学習者にも身近な存在

OIFと関連して、さまざまな領域での政府間関係が促進されています。

例えば、「フランス語議員会議 l’Assemblée parlementaire de la Francophonie, APF」、「フランコフォニー大学機構 l’Agence universitaire de la Francophonie, AUF」、また「フランス語国際衛星放送 TV5」などがあります。

フランス語のレッスンでTV5のニュースを読んだ!という方もいらっしゃるのではないでしょうか?

 

フランス語話者の世界

OIFは4年ごとのフランス語話者やフランス語使用についての統計調査を行っています。その調査の結果をいくつか見てみましょう。

話者数、世界第5位

TV5によると、フランス語は現在、英語と同じく5大陸で話される大言語のひとつです。話者は3億2100万人と推計され、話者数は世界第5位です(1位:英語、2位:中国語、3位:ヒンディ語、4位:スペイン語)。

フランス語話者のうち2億5500万人が、フランス語が日常的に話される国に住んでいます。OIFによる2022年の報告書によると、フランス(6600万人)、コンゴ共和国(4890万人)、アルジェリア(1490万人)、モロッコ(1340万人)など、中南米またカナダにもフランス語話者が多くいます。

また、フランス語を公用語としないヨーロッパ諸国(ドイツ:1230万人、イタリア:1180万人、イギリス1130万人など)にも多くのフランス語話者がいます。

話者の分布

フランス語話者の分布は偏っています。フランス語話者の41%は北欧また西欧に、38%がサブサハラ・アフリカまたインド太平洋に住んでいます。

一方、13%が北アフリカと中東に、4%が北米、2%がラテン・アメリカとカリブ海地域、そして1%がアジアとオセアニア、東欧、中欧、バルト海周辺に住んでいます。

話者は10億人超えへ?

フランス語話者の人口は年々増えています。

2022年の調査では、前回の2018年調査に比べて7%増加しており、2025年には5億1800万人に、2032年には5億7200万人、そして2065年には10億人を超えると予測されました。

この増加スピードは、アラビア語、スペイン語、ポルトガル語、ドイツ語よりも速いとされています。一方、国際機関でのフランス語使用は減っていると指摘されています。

 

学習者もフランコフォニーの一員

フランス語話者の増加は、主にアフリカ諸国で、フランス語を習得する人口の増加によるものと考えられています。

OIFののレポートによれば、増加しているのはフランス語を「習得した」人口で、特にガボン、コートジボワール、モロッコの人々といいます。

アフリカ諸国においてフランス語を家庭や居住地域での生活に使用する人口は少ないです。一方、67%〜97%の人が、仕事を得るために、68%〜97%の人が進学のためにフランス語を学んでいます。

私たちも…

読者の皆さんの多くは、フランス語を学習中の方が多いのではないでしょうか。「国際フランコフォニーの日」をきっかけに、フランコフォニーの仲間として、フランス語話者の世界の広さを覗いてみては?

日本でも様々なイベントが開催中です。日仏会館によるサイト(「日本におけるフランコフォニー(フランス語圏の共同体)の振興活動 2023年プログラム」)などでぜひ確認してみてください!

執筆あお
参照
OIF 88 Etats et gouvernements
OIF Journée internationale de la Francophonie 2023
OIF La langue française. Synthèse 2022
OIf Le Sommet
西山教行(2003)「フランコフォニーの成立と展望」フランコフォニー・フェスティヴァル『フランス語教育』特別号 pp.21-31

オンラインフランス語学校アンサンブルアンフランセは、プロの講師によるマンツーマンのスカイプレッスンが1回1500円~受講できます。いつでもどこでも手軽に受講できる利便性と生徒一人一人にカスタマイズされた質の高いレッスンが好評です。→フランス語無料スカイプ体験レッスンはこちら メールマガジンであなたのフランス語学習をサポートする情報をお届けします。フランス語メールレッスン