数回にわたりお届けしている「フランスで犯罪に遭わない方法」。今回は警官を装ったクレジットカード詐欺の後編。このような犯罪に遭わないための注意点についてお話しします。
相手に身分証の提示を求める
前回のような詐欺に合わないためには人通りの少ない道を一人で歩かないことが一番なのですが、そんなわけにもいきません。そういう時は、誰かが通るのを待つようにするなど、一人きりにならないように注意を払います。
もし警官だという人に声をかけられた場合は、自分のパスポートを出す前に必ず相手の警察手帳、もしくは身分証明書の提示を求めるようにします。
なんて言えばいい?
「Votre carte d’identité, s’il vous plaît ヴォトゥル キャルトゥ ディドンティテ シルヴプレ(あなたの身分証明書を見せてください)」
とっさにこの文章が言えなかった場合は「Your ID card pleaseユア アイディ カード プリーズ」と英語で言いましょう。
そして身分証明書の提示を拒否された場合は、まず「本物ではない」と思って注意しましょう。
私服警官は一人で行動しない
また、私服警官がたった一人で職務質問や持ち物検査をすることは、まずありません。フランスの警察は必ず二人以上で行動します(現在ではテロ対策のため、ほとんどが3人一組で行動しています)。
警察が提出を求めるのは、身分証明書だけ!
もっとも重要なのは、警察がクレジットカードを提出させることや、ましてや暗証番号を聞き出すことは絶対にありません。警察が提出を求めるのは、身分証明書だけです。
いきなり職務質問されることはまずない
また現在のところ、街を歩いているだけの日本人旅行客や留学生に対していきなり職務質問や荷物検査をすることも、よほどのことがない限りありません。そのような場合は慎重になり、相手の身分証明書を確認してからにしましょう(こちらが不審な行動をとっていたり、危険物や麻薬など違法なものを所持している場合などは別です)。ただパリ新聞社襲撃テロ以降は、様々な場所で手荷物検査を受けることがあります。
クレジットカードは絶対に渡さない
とは言っても、とっさの時には冷静な判断ができなかったり、言葉のわからないところで急に「警察だ」と言われたら信じてしまうかもしれません。しかし、どんな状況でもこれだけは絶対に守るようにしましょう。
クレジットカードは絶対に渡さない。暗証番号は絶対に教えない。
そして、自分の身に危険を感じたときはすぐにその場を離れるか、大きな声で助けを呼びます。もし万が一クレジットカードを奪われた場合は、パニックにならず落ち着いてすぐにクレジットカード会社に連絡を取り、カードを止めて犯人に利用されないように手を打ちましょう。
暗証番号を教えてしまった場合は
すぐに現金を引き出されたり、高価なものを購入して現金に換金される怖れがあります。日本を離れる前にカード会社の連絡先を調べて常時携帯しておき、すぐに連絡できるようにしておきます。
1.まずクレジットカード会社に連絡をとってから、
2.近くの警察署で被害届を提出します。
警察署の場所を事前に確認
パリの地図には公共施設が記載されていますので、現地で地図を購入しておくことをお勧めします。
自分で調べられない場合は、道行く人に警察署の場所を教えてもらいましょう。パリ在住の日本人はたくさんいますから、通訳をしてもらう意味で日本人らしき人に助けを求めてもいいでしょう。
5年間使い続けてボロボロの、パリ郊外も載っている地図。
Commissariats というのが「警察署」です。
いつもOpéra周辺で日本人観光客に助けを求められていたので、警察署の場所に「Police」と書いています。
次回は詐欺やその他いろいろな犯罪についてお話しします。
執筆 Daisuke