2026年5月1日(火)、ブルターニュ地方(Bretagne)の地ビール醸造所に、同醸造所が製造販売するビール「ジョン・レモン」の販売を停止するよう、ヨーコ・オノの弁護士から正式な警告状が届きました。
「ジョン・レモン」は登録商標、利用1日あたり250ユーロ要求
フランス最西端にあるフィニステール県(Finistère)バナレック(Bannalec)の「ブラッスリー・ドゥ・ランプリムリー」(brasserie l’imprimerie)は、同社が醸造するレモン風味のさわやかなビールを、ビートルズのメンバーの一人、ジョン・レノン(John Lennon)の名前をもじって、「ジョン・レモン」(John Lemon)と命名し、同氏の似顔絵を描いたラベルで販売していました。
この醸造所に、ある日、ヨーコ・オノを代表する弁護士事務所から手紙が届きます。それによると、「ジョン・レモン」は故ジョン・レノンの名前をもじったり、誤解を招くような使い方を避けるために、「ブランド名として商標登録されている」とのことです。
最初は「詐欺」かとおもった
最初は、「よくありがちな、詐欺かとおもった」と地元メディアに語る、社長のオレリアン・ピカール(Aurélien Picard)氏、書面を受け取ってから、まずはネットでこういったケースが実在するのか早速調べてみたところ、なんとほかにも世界中で多数、同様のケースがあることがわかりました。中には罰金を払った企業もありました。
ピカール氏も、商品を回収しなければ一日あたり250ユーロ(約46,000円/1ユーロ=約184円)の罰金を要求されています。とはいえ、問題のラベルがついたビールの在庫がまだあるため、自社の弁護士を通じての交渉し、今残っている在庫5,000本を7月1日まで販売する許可を得ました。
「ジョン・レモン」最後の5,000本を買い求める客
地元メディアで「ジョン・レモン」販売停止が報道されると、近隣住民だけでなくブルターニュ地方の他都市からはるばるこのビールを記念に買いにくる人で、このビールが飛ぶように売れています。
在庫が一気に売れ、全国的な知名度アップで、同社がかけた1,000ユーロ(約184,000円)の弁護士代の元はとれたのではないかと思われます。
販売停止のピンチがチャンスに変わったわけですが、醸造所ブラッスリー・ドゥ・ランプリムリーも、もともと売れ筋だったこのレモン・ジンジャー風味のビールの販売をやめるわけにはいきません。
同社のホームページを見ると、このビールだけネーミングがなく、ラベル画像は外されたままになっています。
「ジョヌ・レモン」じゃダメ?人気ビール、新しい名前募集中
そこで、同社はジョン・レモンの「ジョン」をフランス語で「黄色」の意の「ジョーヌ」(jaune)に変えて「ジョーヌ・レモン」(Jaune Lemon)に改名してはどうかと、現在ヨーコ・オノ側に提案中とのことです。
ジャン=ゴール・ポチエなど他の有名人もラベルに
有名人の名前をもじったビールはほかにもあり、例えばファッションデザイナー、ジャン=ポール・ゴルチエ(Jean-Paul Gaulthier)がジャン=ゴール・ポチエ(Jean Gol Potier)になっています。
ラベルには同紙の有名な香水瓶をまねて、船乗りの恰好をした金髪のゴルチエ氏の似顔絵がかかれています。さらに、このビールはラガーであることから、フランス語のラガービール「ブロンド」(bière blonde)、香水の意でもあるとともに「風味」のことでもある”parfum”を引っ掛けて、「風味の高いラガー」(”la blonde parfumée”)のサブタイトルまでつけています。
イマジネーションにあふれたビールの名称ですが、「名曲『イマジン』の作者の未亡人に冗談は通じなかったようだ」と、地元メディアは締めくくっています。
出典:France3、TF1
執筆:マダム・カトウ












