2026年4月7日(火)、パリを訪れる観光客がラグジュアリーブランドのショップに行列する…と思いきや、ここ数年、観光客の間でブームが巻き起こっているのは、フランス産の高級バターなのです。デパートのグルメ館では多くの観光客が、お土産用にたくさんのバターを買い込んでいます。この新たな現象を地元メディアが取材しています。
フランス産バター、過去2ー3年で売り上げが2倍
パリ中心部にあるデパートのグルメ館「ラ・グランド・エピスリー」(La Grande Épicerie)の乳製品コーナーには、バターだけで200品を揃える巨大なコーナーがあり、世界中からきた観光客でごったがえしています。ここでは、英語を話すスタッフによる試食も行われています。
価格は3ユーロ(約550円/1ユーロ=約184円)~15ユーロ(約2,760円)。品質やブランド、大きさによりさまざまです。ちなみにパリのスーパーで販売されているものも、3ユーロ前後からで販売されています。
フランスのスーパーや食料品店には乳製品を並べた「クレムリー」(crémerie)売り場があります。
ヨーグルトやクリーム系のデザート、そしてバターもありますが、主役はなんといってもチーズです。また街中には同じ名称のチーズ専門店もあちこちで見かけます。
主役はチーズからバターに?1分あたり3個販売
確かにフランスの名産である「チーズ」をお土産に買ってかえる観光客は多いのですが、ここ数年、特にバターが注目されているのです。
仕入れ担当のマリーヌ・メナジェール(Marine Ménager)氏は、「ここ2-3年で売り上げは200%以上増え、毎年過去最高記録を塗り替えています」と述べています。
同紙によると、昨年70万個のバターが販売されました。つまり1分あたりほぼ3個売れたことになります。
SNSで情報共有 真空持ち帰りで人気拡大
#frenchbutterで検索するとInstagramだけで数万件の投稿が見つかります。
「デパート以外で人気の高級バターをどこで購入できるか?」といった情報のほか、帰国の際にバクテリアの発生を防ぐために「店で真空パックにしてもらう」「ホテルで冷凍庫にいれてもらい、機内預けにする」といった細かなアドバイスまで、投稿がSNS上で共有されています。
世界的に有名な「イジニ―・サント=メール」、おいしさの秘訣は牛の放牧
ノルマンディーの酪農家によって作られた乳業協同組合、「イジニ―・サント=メール」(Isigny Sainte-Mère)は、世界的に有名になったバターのブランドです。
バター職人のノベール・コンスタン(Norbert Constant)氏は、バターの成熟度と色、香りをモニタリングしています。メディアの取材でおいしさの秘訣を尋ねられると「乳牛の飼育方法にある」と答えています。乳牛は年間約8カ月間放牧されているため、原料となる生乳の品質が非常に高いのです。
ちなみに同社の製造するバターの60%は海外に輸出されていますが、ノルマンデイー地方(Normandie)を訪れた観光客の多くは本場のバターを味わいお土産に購入していきます。
とはいえ、フランスは世界で1、2位を争うバターの消費国で、一人当たり年間8キロ消費しています。
フレーバー付きバターが人気、「メゾン・ボルディエ」
ブルターニュ地方の老舗、バターメーカー「メゾン・ボルディエ」(Maison Bordier)は、プレーンなバターだけでなく、海藻入りや柚子風味など、フレーバー付きバターで人気を博しています。
デパートのバター売り場で取材に答えた観光客の一人は、「フレーバーバターなんてペルーにはありません。母にぜひ食べさせたいのでお土産に買って帰ります」と述べています。ちなみに同社のプレーンなバターは、250グラムで9.2ユーロ(約1,690円)で販売されています。
日本人がバターを冷凍してお土産に購入して帰る、というのはもうずいぶん前から珍しいことではありませんが、ここ数年で世界中の観光客が注目し始めたようです。
出典:Franceinfo
執筆:マダム・カトウ












