美術館やギャラリーがひしめき合い、魅力あふれる展覧会が次々と開催されるパリの街。そんな中でも特に見逃せない、2025年夏に注目の展覧会・美術展をご紹介します。開催場所や見どころをまとめているので、ぜひ訪れる際の参考にしてみてください。
1. Le Paris : d’Agnès Varda, de‑ci, de‑là
抜群のセンスとユーモアで多くの人々を魅了し、写真家・映画監督として活動したアニエス・ヴァルダ。そんな彼女の企画展がカルナヴァレ美術館で開催中です。未公開の写真やフィルムを含む約130点を通して、自らが「ciné‑écriture( 映画的筆記 ) 」と呼んだ独創的表現を体験することができます。
カルナヴァレ美術館は、主にパリの歴史や街の変遷をテーマにした作品が揃った、常設展も見応え抜群です。ぜひ企画展と常設展を合わせて楽しんでみてはいかがでしょう。
会場 :Musée Carnavalet – Histoire de Paris(23 rue de Sévigné, 75003 Paris)
最寄駅 :Saint‑Paul駅
期間 :2025/8/24まで
2. Making an impression
ジェローム・セドゥ=パテ財団では、財団のコレクションや個人のコレクションから、貴重な映画ポスターを展示中。絵画のように構成されたアート作品でありながら、同時に重要な宣伝手段でもあるポスターの世界を、存分に楽しむことができます。
時代の流行を反映させたり、滑稽なディテールの盛り込まれたりしたデザインは、きっと想像力と好奇心をくすぐること間違いありません。
会場 :The Jérôme Seydoux-Pathé Foundation(73 Avenue des Gobelins 75013 Paris)
最寄駅 :Place d’Italie駅, Les Gobelins駅
期間 :2025/9/27まで
3. Matisse et Marguerite : Le regard d’un père
日本でも人気の高い名匠アンリ・マティスの新たな作品と一面を楽しめる展覧会です。今回、110点以上もの未発表作が公開されました。マティスと娘マーガリートの親子関係を描いた展示は素晴らしく、画家の“父性”やプライベートな感性にも触れることができ、心が温まります。
会場 :Musée d’Art Moderne de Paris(11 Avenue du Président Wilson 75116 Paris)
最寄駅 :Inès駅
期間 :2025/8/24まで
4. Paul Poiret, Fashion is a feast
ファッションや装飾に興味があるなら、Musée des Arts Décoratifs(パリ装飾美術館)は見逃せません。現在、パリ装飾美術館では、ポワレのファッション・装飾・香水など多岐に渡る作品を一堂に集結した企画展が開催中。20世紀初頭のモード界に旋風を巻き起こしたポワレの’’美意識’’を、ぜひこの機会に感じていただければと思います。
会場 :Musée des Arts Décoratifs(107 rue de Rivoli, 75001 Paris)
最寄駅 : Palais‑Royal–Musée du Louvre駅
期間 :2025/6/25~2026/1/11
5. David Hockney 25
デイヴィッド・ホックニーの最多規模の回顧展をFondation Louis Vuittonで開催中。1950年から2025年までの作品400点以上が展示されており、彼の光と色彩への探求を一望できます。
油彩、ドローイング、iPad作品、映像インスタレーションなどさまざまな形態の展示を通じて、ホックニーの創作スタイルの進化を体感してみてはいかがでしょう。
会場 :Fondation Louis Vuitton(8 avenue du Mahatma Gandhi, 75116 Paris)
最寄駅 :Les Sablons駅
期間 :2025/8/31まで
“芸術の都”パリで気軽にアートを楽しむ
日常の中にアートが根付くパリ。数々の歴史的な美術館での常設展はもちろん、次々と開催される、期間限定の展覧会や美術展も見逃せません。特に期間限定の展示は、親しみやすいテーマや、噛み砕かれた解釈など、肩の力を抜いて楽しめる雰囲気が魅力です。気軽にアートに触れることのできる機会として、ぜひ最新の展覧会・美術展情報をチェックしてみてください。
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執筆 Yuzu