パリでは週末になると、街のあちこちで蚤の市( Marché aux puces )が開かれます。とっておきの一点を探す時間は、パリの人々にとって暮らしの豊かさの一部。そして、古いものに新しい価値を見出す、フランスに息づいた文化の表れでもあります。今回は、パリで人気のある蚤の市を5選、開催場所と日時をあわせてご紹介します。
■パリの人気蚤の市5選
① マルシェ・ド・クリニャンクール(Marché aux Puces de Saint-Ouen)
世界最大規模の蚤の市です。その広さは7ヘクタール、東京ドーム約1.5個分もの大きさ。18区の北端、メトロ4番線ポルト・ド・クリニャンクール駅から徒歩圏内に広がっています。
約15のエリアに分かれており、家具・雑貨・古着・ポスター・レコード・ジュエリーなど、本格アンティークから手頃なヴィンテージまで幅広く揃います。観光客が多い一方、プロのバイヤーやアートディーラーも訪れるため、店主もこだわりを持って品揃えをしています。美術館のように歩くだけでも楽しい、パリの蚤の市の“王道”です。
② マルシェ・デュ・パーク・ジョルジュ・ブラッサンス(Marché du Parc Georges Brassens)
15区の静かな住宅街にある、本好きにはたまらない蚤の市です。古本を中心に、版画、地図、レトロなポスターや絵本などが多く出品され、文芸愛好家や年配の地元民が多く訪れます。
小ぢんまりとした規模ながら、出店者の目利きが光る品が並び、落ち着いた雰囲気の中でゆっくり掘り出し物探しができます。
③ マルシェ・デ・アンファン・ルージュ(Marché des Enfants Rouges)
3区にあるパリ最古の屋根付きマルシェです。蚤の市ではなく常設のマルシェですが、週末にはヴィンテージ雑貨や古着を扱うブースが登場します。
おしゃれなマレ地区らしい、感度の高い品揃えが魅力で、若者や観光客に人気。蚤の市を楽しんだ後は、マルシェ内の各国料理の屋台でランチも楽しめます。買い物とグルメを一緒に味わいたい方におすすめのスポットです。
④ マルシェ・デ・ヴァンヴ(Marché aux puces de la porte de Vanves)
14区のジョルジュ・ラフェネストル大通り( Avenue Georges Lafenestre )とマルク・サニェ大通り( Avenue Marc Sangnier )で毎週末に開催される蚤の市です。「最もパリらしい」と言われることもあるこの蚤の市には、450以上ものお店があり、幅広いジャンルの日用品を見つけることができます。
お手頃価格の品が多く、安心して蚤の市めぐりを楽しむことができます。落ち着いた雰囲気で治安が良く、ゆったりとした空気感を味わうことができるのも魅力的です。
⑤ マルシェ・デ・モントルイユ(Marché aux Puces de la porte de Montreuil)
20区のAvenue du Professeur André Lemierre(ポルト・ド・モントルイユ近郊)で毎週土曜日から月曜日まで開催される蚤の市です。時期によらず、家具、食器、古本、レコード、アンティーク雑貨や自転車部品などバラエティに富んだ品揃えを安定して楽しむことができます。
中でもヴィンテージ衣料の取扱いが豊富で、ファーコートや軍服なども見つけることができるので、ファッション好きの方におすすめです。
■蚤の市でローカルなパリを楽しむ
誰かの手を離れ、また誰かの手に渡る。そんな“モノのめぐり”が自然に根付いているのが、パリの蚤の市です。新しいモノにはない味わいやストーリーに出会えるのも、蚤の市の醍醐味。自分の目で選び取った品は、きっといつまでもあなたの心をときめかせる、とっておきの一点になることでしょう。自分だけの宝物を探しに、そしてローカルなパリを覗きに、ぜひ蚤の市に足を運んでみてください。
執筆 Yuzu