2024年7月5日(金)、フランスの学校の最終日の今日を境に、各地でバカンスの出発が始まります。パリ郊外、イル=ド=フランス(Île-de-France)ではすでに本日午後から交通渋滞が本格化、明日6日は第一回目の出発のピークに達することが予想されます。例年人気の行先の上位にあったパリですが、オリンピック開催で自国民には避けられています。
7月組、今週末から出発、渋滞のピークは27日
フランスの道路交通情報センター、ビソン・フュテ(Bison Futé)は道路状況を「大渋滞、避けたほうが良い」の黒、「大渋滞」の赤、「混んでいる」のオレンジ、「空いている」の緑に分けています。
明日土曜は各地の道路状況が「赤」、8日の日曜日になっても行楽客が向かうブルターニュ地方、(Bretagne)、ノルマンディー地方(Normandie)、オ=ドゥ=フランス地方(Hauts-de-France) 、サントル=ヴァル=ドゥ=ロワール地方(Centre-Val-de-Loire) 、オーヴェルニュ=ローヌ=アルプ地方(Auvergne-Rhône-Alpes)が「オレンジ」と混雑しているためです。
一方、パリへ向かう道路はガラガラ状態になっています。
9月8日まで、道路は毎週末大混雑
今年の学校の新学期は9月2日からですが、今日から9月7日、8日まで、毎週末フランス国内の道路は混雑が続きます。
7月の週末はパリなど大都市から地方への出発方向が混雑しますが、27日は、7月にバカンスを取る「7月組」の帰りと、8月にバカンスを取る「8月組」の出発で、上りも下りも「赤」、特にイル=ド=フランスへの戻りは「黒」の大渋滞になります。
毎年のことですが、ビゾン・フュテはこの日の移動は避けるよう呼び掛けています。
8月に入ると3日の週末は各地で都心部からの出発は「黒」になります。戻りの方もパリ方面、および地中海方面への道路は軒並み「赤」になります。
出発ラッシュは8月17日が最後になりますが、31日まで週末は戻りの混雑が予想されます。
今年の行先トレンドは? パリは五輪で一般客不在
フランス人のバカンスの行先の多くはフランス国内で、車や列車での移動がほとんどです。
旅行予約プラットフォームOPODOによると、今年の航空券の予約を伴う行先の人気ランキング一位はコルシカ島です。
1.アジャクショ(Ajaccio, Corse)(コルシカ島、フランス)
2.フィガリ(Figari, Corse)(コルシカ島)
3.バスチア(Bastia,Corse)(コルシカ島)
4.アテネ(ギリシャ)
5.ポルト(ポルトガル)
同社のランキングでは、昨年2位に入っていたパリがランキングから完全に姿を消しています。
オリンピック開催で一般客から避けられたことが顕著にあらわれています。
フランス人の海外旅行先、人気トップ10に東京
大手旅行予約プラットフォーム、カヤック・フランス(Kayak France)が今年3月に集計したフライト予約の人気ランキングは下記の通りです。円安の影響もあり、東京がなんと5位に入っています。
1 – デンパサール、バリ島
2 – バンコク
3 – モントリオール
4 – アジャクショ、フランス
5 – 東京
6 –ニューヨーク
7 – サン=ドニ(Saint-Denis, Réunion)フランス海外県、レユニオン島
8 –マヨルカ島、スペイン
9 – ルア、マルタ共和国
10 – アテネ
パリ発着TGV、この夏増便も3席に2席が空席、パリ五輪裏目に
フライトを伴う旅行先としてもパリは避けられているようですが、実はパリ発着の高速鉄道、TGVも空席が目立っています。
フランス国鉄SNCFはこの夏にブルターニュ地方やアトランティック方面へ30万席を増席、地中海方面及び南東フランスへ10万席を増席しましたが、その3分の2はまだ埋まっていません。
この夏パリに来る一般客がほぼ不在ということもありますが、パリ発着ということで、地方から地方への移動もパリで乗り換えるTGVは、やはり今年オリンピックの混雑を回避しようとフランス人利用者には避けられたようです。
今後、SNCFが夏のバカンスシーズンには異例の割引キャンペーンを開始するかが期待されます。
執筆:マダム・カトウ