2024年2月6日(火)、フランスの1月のインフレ率は3.1%と過去2年間で最も低い水準に下落、今年1年間低水準で推移することが予想されています。そんな中行われた大手スーパーチェーンと卸業者との仕入れ価格交渉の結果、一部の食料品の値下げが行われます。一方、大手食品グローバル企業は値下げ交渉を拒否しています。
エネルギー価格の下落、食品価格に影響
昨年12月に3.7%だったインフレ率は1月に3.1%とさらに下落しました。これは原油、ガスなどエネルギー価格の上昇率が12月の5.7%に対し、1月は1.8%と大幅に減速したことに起因しています。
気になる食品・日用品価格の上昇率は、12月の7.2%から1月には5.7%と下落しています。
コーヒー、トイレットペーパーなど、食料、日用品の25%程度が値下げ
ある食品・日用品卸業者によると、年初の価格交渉でコーヒー豆が2%~4%、トイレットペーパーが7%~10%が値下げされ、さらにひまわり油、パスタ、シリアルなどスーパーで販売されている品目の25%ほどが値下がりの対象になっています。
理由は、エネルギー価格の下落によるコスト減で、メーカーや生産者が卸業者に販売する価格が下がったためです。
オレンジジュースなど大幅値上げ、大手グローバル企業が値下げ拒否
しかしながら、値下がり対象にならなかった多くの品目は引き続き値上げされます。中でもオレンジジュースとオリーブオイルの価格は20%も値上げされます。
フランス商店・卸業者連盟(Fédération du Commerce et de la Distribution)のジャック・クレッセル(Jacques Creyssel)氏によると「世界の飲料・食品ブランドを支配する大手グローバル企業10~15社は、値下げ交渉のテーブルに着くことも拒否している」とコメントしています。
2024年のインフレ率、減速傾向続く
2023年のEU全体のインフレ率は3.4%と、フランスよりも若干低い水準でした。
今年はこの傾向が続き、年末には「2%ほどに落ち着く見込みで、その結果、欧州中央銀行は利息を下げ始める可能性がある」と、フランス経済観測局(OFCE : Observatoire Français des Conjonctures Économiques)の経済学者マチュー・プラーヌ(Mathieu Plane)氏は予測しています。
執筆:マダム・カトウ