健康な毎日を送るためにフランス人が気を付けているのは、適度な運動、バランスの取れた食生活、そして喜びのある生活です。これらを意識しているからか、フランスには大型のオーガニックスーパーやスポーツジムが全国的にあり、どこも繁盛している様子。そこで今回は、健康維持に人気のスポーツジムをフランス人はどのように利用しているか、また、フランス人が考える生きがいとは何かに着目しご紹介していきます。
体をメンテ!世代によって違うスポーツジムの利用法
フランスでは、週末にランニングやウォーキングをする人たちもよく見かけます。年配の方でもサイクリングを楽しんだり、夏の海水浴など、体を動かすことが好きな人が多い印象です。
また、容姿への関心も高く、シニアになっても体のラインを保つために、メンテに手を抜かない意識の高さもうかがえます。
しかし、寒い冬場は、思うように外で運動を楽しむことは難しいこともあり、スポーツジムが大人気!幅広い世代の人が、それぞれの目的で運動を楽しんでいます。
全国展開されているジムや地元密着型のジムなど、業態がいくつかあります。世代によってどのようにジムが利用されているのか紹介しましょう。
10代後半~20代 若者世代
積極的にジムに通うのは、男性のほうが多い傾向があります。16歳から入会可能な施設が多いので、高校生が放課後に友達とジムに連れだって行くなんて話も聞きます。
彼らの目的は筋力づくりです。どのくらいの重量のものを上げることができるか、と力比べをゲーム感覚で楽しんでいる様子。
「30キロのダンベルを上げた!」など具体的な数字が飛び出すことも。授業前の昼休みにジムに通う習慣のある大学生もいて、そのほとんどはマシーン目当てです。女性は少数派ですが、筋力のある美しい体への憧れが彼らをジムへと通わせます。
30代~60代のミドル世代
仕事や子育てが忙しくて「体を動かしたいけれど時間がない!」という方が多く、定期的なジム通いが一番難しい世代といえるでしょう。
職種にもよりますが、昼休みを利用してプールやジムに通ったり、仕事後のヨガのコースなどに通う人もいます。しかし多くの場合、子供がだいぶ大きくなってからです。
また、子どもがいて離婚している場合は、隔週で子どもの面倒をみるシステムを利用すると、1週間は自分の時間が確保しやすいです。そのときにまとめてジムに通う人もいます。
健康のためというよりも気分転換にスポーツを楽しんだり、運動で日々のストレスを発散するために活用しているようです。
60代~リタイヤ世代
自分の時間は十分にある世代です。健康維持と気分転換の一石二鳥で、スポーツジムに頻繁に通っています。「薬や病院に頼るくらいなら、事前予防として健康的な生活を送ったほうがよい」という考えを持つ、元気なシニア達をよく見かけます。リタイヤ世代の利用は女性の割合が多いです。
彼らは、コーチが指導するアクアジムやストレッチクラスに積極的に参加しています。レッスンが終わった後は皆でお茶を楽しむなど、交流の場として活用しているようです。
スポーツジム側もそれをよく理解しており、クリスマス、ハロウィンなどのパーティーの企画などもおこない、大きな意味での健康的な生活をサポートしています。
どんな意味?フランスで浸透する日本語 IKIGAI
健康に関心があるフランス人は、日本の食生活や暮らしぶりに興味を持っています。「日本の南の島で、長寿の人が多い場所があるんでしょ?」と、フランス人に何度か聞かれたことがあります。沖縄はテレビのドキュメンタリーなどで紹介されることもあり、じわじわと知名度が上がっているようです。
また、「生きがい」という日本語はフランスで ” IKIGAI ” と呼ばれ、ここ最近よく耳にするようになりました。人生をいかに喜びで生きるか?をテーマとしたときに使われるようになっています。
働く世代なら、仕事に対するモチベーション、その他の世代ならどう社会と関わっていくかという、人生を前向きにとらえるコンセプトの1つとして IKIGAI が使われています。
私から見ると、すでに人生を謳歌しているように見えるフランス人ですが、本人達はまだまだと思っているのかもしれません。
ボランティア活動や、寄付などの援助も気軽にできるシステムがあることから、自分を満たすことだけでなく、周りを助けることがバランスの良い健康的な生活には大切だと考えているのでしょう。
まとめ
運動、食生活、喜びを感じるという3つが揃ってこそ、健康的な生活といえるのでしょう。健康のありがたさに気づいた人は、積極的に体と精神のメンテナンスをおこなっているようです。精神性は日本の”生きがい”を参考にしつつ、さらに人生を分かち合うパートナーを見つけることにも熱心に注がれます。人生謳歌に積極的なフランス人は流石ですね。
YUKO