日本語に略語があるように、フランス語にも略語があります。日本らしい略語表記に慣れていると、当然ほかの言語も同じ表記なのではないかと思い込んでしまいますが、フランス語初心者はちょっと注意が必要になります。フランス人にとっては当然の略し方のようで、説明さえしてもらえないという状況をたくさん経験しました。
時間の略語
例えば「10時」はフランス語で「10 heures」となります。あえてカタカナで発音の表記を試みるなら、「ディズール」です。「時間」という基本的で大切な言葉なのに、発音が難しくて困るなあと習ったばかりのころ思っていました。
この時間の表記は省略されることが多い単語です。書き表す場合は「heure」と書かずに「h」に省略します。
「10時」なら「10h」と表記しますが、発音は変わらず「ディズール」です。
それでは「10時30分」はどうなるでしょう?
答えは「10h30」。日本語で「10:30」と表すのと同じ感覚です。
ちなみにminuteのmは表記されないので「10h30m」とはなりません。注意しましょう。
例えばこのように使います。
Nous ouvrons à 10h30. 10時30分に開店します。
曜日も省略
時間と同じく、曜日も省略して表されることがあります。お店の営業時間などでよく見かけます。
例えば、lundi(月曜日)は lun.と表記します。
dimanche | (日曜日) | dim. |
lundi | (月曜日) | lun. |
mardi | (火曜日) | mar. |
mercredi | (水曜日) | mer. |
jeudi | (木曜日) | jeu. |
vendredi | (金曜日) | ven. |
samedi | (土曜日) | sam. |
基本的には言葉を省略したことを表すために、「dimanche」は「dim.」のように「.」が最後につけられますが、街で見かける看板は必ずしもそうはなっていないようです。
略語でクイズ
それではこれはどうでしょう。ある店の前に掛かっていたカードです。初めて見た時は呪文のようだと思いました。
Lun au Sam 9h à 20h, Dim 10h à 18h
「月~土 9時~20時、日 10時~18時」と読めます。
「月曜日から土曜日までは9時から20時、日曜日は10時から18時まで営業」という意味です。
略語がわかっていれば、なんでもない内容ですが、何が略されているのかさえわからなければ、本当に困ってしまいます。ちなみに、私の持っている仏和辞典で「lun」を引いても訳語は見つかりませんでした。「.」もついていないのですからどうやって略語だと知ることができるのか分かりませんね。
今では呪文のような看板を見ても、もう不思議に思うことは無くなりました。でも略語に慣れてきた反面、このような略語をまったく知らない人がいるということも忘れがちになってしまいますので、記しておくことにしました。
執筆 ペレ信子
ブログ:Plaisir de Recevoir
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