パリ、パレロワイヤルのカフェ(11月末、筆者撮影)
12月7日(火)、フランスにおける新型コロナの1日の感染者が4万人を超える中、「ロックダウン」をなんとか阻止したい政府は6日、感染抑止のための新たな対策を発表しました。小学校の対策強化、ナイトクラブの休業、ワクチンのブースター接種などが挙げられています。
子供の感染増、小学校で対策レベル引き上げ
昨日のカステックス首相(Jean Castex)による発表では、小学校の教室内および校庭でのマスクの着用が再度義務化されました。
給食時は、食堂に一度に入る児童の人数を制限するため、児童の入れ替え制が再導入されます。ただ予想に反し、クリスマス休暇の前倒しは今回発表されませんでした。
5歳〜11歳未満の子供にワクチン接種、15日から
12歳未満の子供はこれまでワクチン接種の対象になっていませんでしたが、重症化リスクの高い疾病を持つ5歳〜11歳の子供に限り接種が開始されます。
この年齢層のすべての子供に接種を行うか否かは、専門家の見解を吟味した後発表されますが、カステックス首相は「年内にも開始を目指している」と述べています。
ナイトクラブに休業命令、10日から
12月10日金曜より、ナイトクラブの営業が禁止されます。明確な期限は明らかにされていませんが、首相は発表の中で「来年1月上旬まで」と述べています。
休業に際して、フランス政府は経済的な補償を行いますが、具体的な額などは後日ナイトクラブ業界の代表へ通達されることになります。
65歳以上の「ブースター接種」、予約が不要に
国民への3回目のワクチン接種を急ぐ政府は、65歳以上の高齢者は「どこの接種会場に行っても、予約なしで接種が受けられる」体制を敷きました。
65歳以上への3回目の接種は、開始当初は遅々として進んでいませんでした。そこで政府が、今月15日までに3回目の接種を終えないと「ワクチンパスポートが一旦無効になる」と発表したところ、接種予約が急増しました。
さらに、2回目の接種から7ヶ月以上となる18歳〜64歳のブースター接種期限が「1月15日まで」と発表されると、予約が殺到しオンライン予約サイトに繋がらない事態が発生しています。
期限が迫る中、今回の措置は「オンライン予約が苦手」な高齢者への配慮を行ったものと思われます。
企業に「週3日テレワーク」再導入を要請
カステックス首相は企業に対し「可能な限り」週3日はテレワークにするよう要請しました。また、公務員に関しても「週2〜3日」を可能な部署に限りテレワークに変更するよう指示しました。
フランス国民よ「パーティは控えめに」、仏首相
フランスではクリスマス休暇前に、企業が顧客や社員を招待して年に一度の大規模なパーティを開催したり、同僚同士での食事会が盛んに行われます。また個人宅でも、休暇で地方へ散らばる前に、友人と大人数で集まってワイワイ盛り上がるのが恒例です。
クリスマスまで1ヶ月を切った11月末、突如現れた「オミクロン変異株」のニュースに、企業間ではこういった大掛かりなパーティをキャンセルする動きが相次いでいます。
カステックス首相は、人数制限等の「規制」は避けたものの、国民一人一人に対し、個人宅でも大人数で集まるパーティは「控えめに」するよう呼びかけました。
執筆:マダム・カトウ