入店に「ワクチンパスポート要」を告知する看板
10月26日(火)、フランスの新型コロナ感染者数がここ数日で増加に転じています。第4波における感染者数が8月中旬から減少に転じ、今月初旬まで減少が続きその後横ばいでしたが、ここへ来て感染警戒の目安とされる、7日平均で住民10万人に対し感染者が50人を超える県が42県となり、感染拡大の第5波が警戒されています。
1日の感染者数5,000人を超えるも、入院患者数は横ばい
フランス公共衛生局(Santé publique France)は昨日25日(月)、1日の感染者数が5,000人の大台にのったと発表しました。
感染増加は今月20日ごろから始まり、23日(土)には5,084人、24日(日)には5,259人、25日には5,293人と日に日に増えています。ちなみに19日時点での感染者数は4,700人を切っていました。
また、今月15日からPCR検査が有料になったことから検査数自体は減っています。
入院患者数は安定しており、昨日月曜で6,405人と今月中旬からほぼ変化していません。また重症患者数は1,023人で、これは今年のピーク時における5000〜6000人と比較しても低い数値に留まっています。
パリ市および地方の大都市周辺、再び「警戒レベル」に
現在感染者数が住民10万人に対し50人以上150人未満の地域は「警戒」の最低レベルに指定されます。現在この警戒レベルに入った県は、フランス全101県中42県に上ります。
パリ市は85人と高く、微増が続いています。また、周辺のイル=ド=フランス地域圏(Île-de-France)では、イヴリーヌ(Yvelines)、エッソンヌ(Essonne)、セーヌ=エ=マルヌ(Seine et Marne)、オワーズ(Oise)、ヴァル=ドワーズ(Val d’Oise)などを含む全ての県が警戒地域となっています。
マルセイユ(Marseille)市のある南仏ブーシュ=デュ=ローヌ(Bouches-du-Rhône)、ニース(Nice)市のあるアルプ=マリティーム(Alpes-Maritimes)、ボルドー(Bordeaux)市を含むロワール=アトランティック(Loire-Atlantique)も10万人あたり感染者50人を超える42県に含まれています。
秋になり気温がぐっと下がり、夏以降感染減が続いたことによる気の緩みから、ソーシャルディスタンスや手洗いなどが徹底されていないことが感染増の要因と見られています。
モデルナ社ワクチン、3回目のブースター接種承認
欧州医薬品庁(Agence européenne des médicaments :EMA)は、2回目のワクチン接種を終えてから6〜8ヶ月が経過した人への3回目の接種に、モデルナ社のスパイクヴァクス(Spikevax)の使用を許可しました。
数日前に既に3回目の接種が許可されたファイザー社についで2社目となります。
3回目の接種は1回目、2回目で使用するワクチンの半分の量で行われますが、欧州医薬品庁は、スパイクヴァクスのブースター接種に関し、「ごく稀なケースで2回目の接種時同様の副作用が見られるため、注意深く経過をフォローする必要がある」としています。
ブースター接種、高齢者から開始
フランスでは現在までで総人口の73.9%に当たる49,856,632人が2回の接種を終えています。このペースで行くと、11月上旬には5千万人を超えると言われています。
昨年末から今年の上旬にかけ優先的に接種した高齢者らへの3回目の接種は既に開始されており、「現在の対象者の3分の1の接種が済んでいる」と政府報道官ガブリエル・アタル(Gabriel Attal)氏が発表しています。
執筆:マダム・カトウ