7月25日、「空飛ぶ男」の異名を持つフライボード・エアー(Flyboard Air)の発明者、フランキー・ザパタ(Franky Zapata)氏はドーバー海峡横断に挑戦しましたが、残念ながら失敗に終わりました。
パリ祭に登場で一躍有名に、ドーバー海峡横断に挑戦
7月14日の「パリ祭」で、シャンゼリゼ大通りで行われた恒例の軍事パレードにおいて、空から登場して一躍有名になったフライボード・エアーですが、その発案者ザパタ氏が今度はドーバー海峡の横断に挑戦しました。
ドーバー海峡横断
シャンゼリゼ大通りで行われた軍事パレードでのデモンストレーション
フライボード・エアーって何?
フライボード・エアーは人が乗って飛行するプラットフォームで、最高時速140㎞、5つのモーターが備えられ、旅客機と同じ航空燃料で動きます。
燃料は飛行する人が背負っているのリュックサックの中に入っています。
一回の飛行時間は10分程度ですが、ドーバー海峡(35Km)を渡るには20分かかるため途中1回の給油が必要になります。
給油に失敗するも自己最長飛行記録更新、再挑戦を
ザパタ氏は順調に離陸したものの、海上での給油ができずドーバー海峡の向こう岸、イギリスへの飛行は失敗に終わりました。
氏によると、着陸時に波がきて船が大幅に揺れたためバランスを崩し、海に落下したとのことです。幸い本人は首に軽い怪我をした程度で、無事に救助されています。
失敗に終わったとはいえ今回自己最長飛行距離20.2Kmを達成し、ドーバー海峡横断にあと一息だったこともあり、ザパタ氏は飛行後のインタビューで「1週間後にまた挑戦したい」と、悔しさを隠せない様子でした。
落下のショックで、フライボード・エアーのほうは電気系統やモーターなどが壊れてしまいました。しかし氏は「フライボードの修理は1日もあれば修理できる。あとはもっと大きな船を見つけるのに2日ぐらいかかると思うが、とにかく成功するまでやり続ける」と再挑戦への固い決意を表明しています。
元ジェットスキーチャンピオンの夢
フランク・ザパタ氏はマルセイユ出身、1978年生まれの40歳でジェットスキーの世界チャンピオン。フランスや欧州をはじめとする数々の大会で優勝しています。
ザパタ氏は海上を水圧で飛ぶフライボードからヒントを得て、フランボード・エアーを独学で自ら開発しました。
元チャンピオンは「海の上を飛ぶというのは夢のようだった」と語っています。
次の挑戦が楽しみです。
執筆:マダム・カトウ