28日(日)、7月6日(土)から合計21日間の日程で開催されていたツール・ド・フランス2019(Tour de France 2019)の最終ステージが行われ、パリ郊外南西にあるランブイエ(Rambouillet)からパリまでの128キロメートルを選手たちが駆け抜けました。今回は今年の4月に大火災が発生したノートルダム大聖堂(Cathédrale Notre-Dame de Paris)の側を通るルートで、最後はシャンゼリゼ大通り(Avenue des Champs-Élysées)を選手が駆け抜けました。
パリを駆け抜けた第21ステージ
今年の第21ステージは、パリ郊外南西のランブイエからパリへ向かって北上し、パリに入った後、セーヌ川にかかる橋ポン・ヌフ(Pont Neuf)を渡り、ルーブル美術館(Musée du Louvre)を通ってシャンゼリゼ方面へ向かい、大火災に見舞われたノートルダム大聖堂を見るかの様なコースとなっています。
そのあとは、凱旋門(Arc de triomphe)とチュイルリー公園(Jardin des Tuileries)、コンコルド広場(Place de la Concorde)を結ぶ、シャンゼリゼ大通りに設けられた1週7キロメートルの特設コースを8周します。
シャンゼリゼ大通りを全選手が駆け抜ける様子は、テレビで大々的に放映され、パリの一大イベントとして定着していて、毎年大勢の観客で沿道が埋め尽くされます。
2013年以降最高の視聴率
今年のツール・ド・フランスは、およそ570万人がテレビでこの第21ステージの終盤を観戦しました。20時50分から21時20分の間のおよそ30分間で、30.9パーセントという高い視聴率を記録しています。これは、2013年以降最高の数字です。
総合優勝は初のコロンビアの選手
21ある各ステージの所要時間を加算して、合計の所要時間が最も少ない選手に個人総合時間賞の「マイヨ・ジョヌ(maillot jaune/黄色のシャツ賞)」が与えられ、黄色のシャツを着る権利を得ます。最終ステージの終了時点でマイヨ・ジョヌを着用する権利を持っている選手が、ツール・ド・フランスの総合優勝となります。
今年の総合優勝は、コロンビア初、また南米の選手として初のエガン・ベルナル(Egan Bernal)選手が獲得しました。1919年にマイヨ・ジョヌが誕生して以来、100年目の記念すべき総合優勝です。
Congratulations to @TeamINEOS and @Eganbernal winning the 106th Tour de France.
Reinforcing our belief that individuals can excel when challenged and that great teams can achieve extraordinary results. #TDF2019 pic.twitter.com/RvyIKxiNVr
— INEOS (@INEOS) July 29, 2019
4人での争いとなったマイヨ・ジョヌ争奪
マイヨ・ジョヌは、第1、2ステージではオランダのマイク・トゥニセン(Mike Teunissen)選手が、第3から第5ステージはフランスのジュリアン・アラフィリップ(Julian Alaphilippe)選手が、第6、7ステージではイタリアのジュリオ・チッコーネ(Giulio Ciccone)選手が、そして第8から第18ステージまでは再びフランスのアラフィリップ選手が着用していましたが、第19から最終の第21ステージではコロンビアのベルナル選手が着用し、そのままベルナル選手が総合優勝を獲得しました。
ベルナル選手は新人賞も獲得
ベルナル選手は、開催年に25歳以下の誕生日を迎える選手の中で総合成績の最も上位の選手に着用権が与えられる新人賞「マイヨ・ブラン(maillot blanc/白いシャツ賞)」も獲得しています。
山岳賞と勇敢賞にはフランス人の2選手が
山岳賞
丘や山脈を越えるコースの、峠の頂上付近に設けられたポイントの通過順に応じて加算される山岳ポイントによって着用権が与えられる山岳賞「マイヨ・ブラン・ア・ポワ・ルージュ(maillot blanc à pois rouges/白地に赤の水玉のシャツ賞)」は、フランス人のロマン・バルデ(Romain Bardet)選手が獲得しました。
勇敢賞
また、タイムトライアルと第21ステージを除く各ステージで、果敢に動いたと認められる選手に与えられる赤地に白のゼッケンの勇敢賞「ドサール・ルージュ(dossard rouge/赤のゼッケン賞)」は、多くのステージでマイヨ・ジョヌを着用していた、フランスのアラフィリップ選手が獲得しました。
その他の賞
この他に、各ステージのゴール、およびステージの途中の中間に設けられた、スプリント地点の通過順位に応じて与えられるスプリントポイントの1位の選手に授与されるポイント賞「マイヨ・ヴェール(maillot vert/緑のシャツ賞)」をスロバキアのぺテル・サガン(Peter Sagan)選手が獲得しました。
そして、各チームの先頭3名の合計時間の最も少ないチームに与えられるチーム総合時間賞「ドサール・ジョヌ(dossard jaune/黄色のゼッケン賞)」をスペインに本拠地を置くモビスター・チーム(Movistar Team)が獲得しました。
フランスで最も注目されているスポーツイベントの一つ、ツール・ド・フランス。今年見逃した方も、来年シャンゼリゼ大通りで観戦してみてはいかがでしょうか。
執筆:Daisuke