子音だけの発音って?《7》~発音のヒント

2019.05.25

机に向かう女性

日本人にはどうもピンとこない「子音だけの発音」についてお話ししてきましたが、ついに最終回。子音だけの発音をするときのポイントにいついてお話しします。

 

カタカナを使わない

日本語は、基本的に子音が母音とセットになったモーラ言語です。日本語の文字もこれを反映していて、仮名は基本的に子音と母音の2音が一文字になっています。文字として「ン」以外に子音だけの音に対応するものはありません。

一方、フランス語には子音が連続したり、子音で終わることがあります。さらに、フランス語はシラブル言語で、日本語とは異なるリズムを持っています。カタカナを用いて書いたり話したりしようとすると、実際のフランス語とは違う発音、違うリズムになってしまいます。この問題への対策は、『「コーラス」、「ハート」、「授業」、仲間はずれはどれ?〜音声学からのヒント』でご紹介した国際音声記号を使うことです。カタカナに頼らずに、音をそのまま表記できる記号を使うことで、子音だけの発音を意識することができます。

 

歌う

楽曲のリズムは言語のリズムに一致し、歌は基本的に音符と言語の単位を合わせて作られています。基本的に1つの音符に対し、モーラ言語の日本語は1つのモーラを、シラブル言語のフランス語は1つのシラブルを割り当てます。フランス語で歌うことは、子音だけの音を含むシラブルリズムの感覚をつかむのに役立ちます。

注意点として、歌の中では通常発音しない語末の”e”が発音されることがある(つまり1つのシラブルを作る)ので、話すときには発音しないようにしましょう。

 

シャドーイング

なぜ日本人は外国語を話すときに母音をつけるのかは、研究テーマにもなっています。そもそも外国語を聞き取る時点で母音があるように聞こえているという報告もあれば、母音の有無は聞き分けることができるという報告もあります。

後者の研究ではさらに、シャドーイング(音声を聞いて即座に復唱)の実験で、ネイティブの発音を真似て発音すると、挿入される母音の音が短くなる、あるいはほぼなくなるという結果も報告されています。シャドーイングにより、正しい発音が身につきやすくなるんですね。

シャドーイングは、フランス語のテレビやラジオを利用し、フレーズを聞こえたまま真似ることでできます。しかしスピードが速く、また語彙や内容が難しいこともあるのでハードルは高いかもしれません。

そこで、ネイティブから学べるオンラインフランス語学校アンサンブルアンフランセのフランス語レッスンもオススメの方法です。
自分のレベルやスピードに合わせた会話なら、その場ですぐに真似することができ、シャドーイングに最適ですよ。ぜひ、検討されてみてはいかがでしょうか。

 

エクササイズ

慣れない配列を発音するのは難しいものです。子音の連続が多い英語の話者でさえ、さらに子音連続の多い言語を話すときには、母音が挿入されることがあるそうです。このときの母音は、慣れない子音配列の2音を続けて発音するために起こる遷移音(せんいおん)であるとする見方があります。

前回お話ししたように、無声母音を糸口にすると取り組みやすくなります。そこから子音だけの音にするには、速く発音し母音の動きをしないこと、そして空気を強めに出すことです。普段意識することは少ないですが、発話するというのは顔や舌などの筋肉を動かすということです。つまり、いわゆる運動と同じく鍛えなければ動けません。何度も繰り返し練習し、発音する筋肉と動きを身につける必要があります。

 

最後に

フランス語は音の数だけでなく、配列の仕方やリズムなど、多くの点で日本語と異なるため、ネイティブのように発音するのは難しいんですね。それでもあきらめる必要はありません。地道に努力を続ければ上達します!

執筆:Anne

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