子音だけの発音って?《6》〜日本語の母音問題

2019.05.24
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考える猫

基本的に子音と母音がペアになっている日本語配列の習慣から、日本語話者はフランス語を話す時も子音の後に母音をつけてしまう。そう聞くと、日本人には子音だけの発音なんて無理なのでは、と思うかもしれません。しかし実際には、私たちも子音だけの発音を無意識にしているんです!

 

挿入される母音の謎

そもそも、どうして母音をつけて発音していることに気づかないのでしょう?
日本語の癖のせいでフランス語を話すときにも母音をつけてしまうとしても、その母音自体は日本語の音なので、母音があれば自分で聞いて気づきそうなものです。ところが実際には、自分の発音に気づきにくい。それはなぜでしょう?…もしかすると、無声母音のせいかもしれません。

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母音の特徴のない音

実は日本語を話すとき、方言差はありますが、母音をしっかりと発音していないことがあるんです。その母音は、声帯の振動を伴わないため、無声母音と呼ばれます(声帯振動、有声・無声について詳しくは『子音だけの発音って?《1》~母音と子音』)。声(声帯振動)があるのが母音の特徴なのですが、日本語では声帯が振動しないことがあります。

この無声母音と呼ばれるものは、無声子音に挟まれている、あるいは語末の無声子音の後の母音「イ」か「ウ」でよく起こります。話す速度などの要因によって無声化する率は変わりますが、日常の発話でも頻繁に現れます。

例えば、多くの場合「~です・ます」の最後の「ウ」は、無声化されています。試しに喉に手をあてて「です」と言ってみてください。「す」と言う時、手に振動を感じますか?振動がなければそれは無声母音です。

 

意識と無意識

無声母音は、いわゆる標準語で特に多くみられるため、アナウンサーや声優は訓練して意識的に行うそうです。逆に言うと、ほとんどの人は意識していないわけですね。有声か無声かで、違う単語になるわけではないので区別する必要がなく、一般の人は特に意識しません。

無声母音は意識的でない上に、規則的でもありません。同じ人が同じ単語を言っても、ある時は有声母音で、ある時は無声母音、さらには全く母音を発音せずほぼ子音だけになっていることもあります。

このように日本語では、母音の有声・無声ひいては母音の有無自体を区別しないことがあります。このことが、外国語にある「子音だけの発音」に対して、日本語話者を鈍感にしている可能性があります。

子音だけの発音への足掛かりに

無声母音にはプラスの側面があります。なぜなら、「有声である」という母音の特徴がない発音ができるということであり、子音だけの発音に近いからです。実際、日本語の無声母音は、外国人の耳にどう響いているのでしょう?外国人日本語学習者の中には、母音がないように感じている人もいるようです。

子音の後に付くのが無声母音であれば、子音だけの音が完璧に発音できなくてもそれっぽく聞こえる可能性があります。また、無声母音を足掛かりにすると、子音だけの発音に取り組みやすくなります。

無声母音は簡単に訓練することができます。日本語の単語でよいので色々な単語を、喉に手をあてながら発音してみましょう。(濁音やナ行、マ行~ワ行は有声子音なので、声帯は振動します。母音を発音しているかわかりにくいので、「すし」「くし」「くき」など、まずは無声子音でコツをつかみましょう。)

振動がある場合とない場合、それぞれどのように発音しているのか確認しましょう。次に、意識的に無声母音を発音してみましょう。喉に手をあてて、声帯を振動させないように発音してみてください。スピードが速いと無声化しやすいので、速く発音するよう心掛けてください。

コツがつかめたら、フランス語の単語にチャレンジ!さらに、できれば母音を発音する動き自体をしないよう意識してみましょう。純粋な子音だけの発音になりますよ。

 

まとめ

日本語には無声母音と呼ばれるものがあり、子音だけの発音に近い発音をしています。この無意識の発音を意識的に行うことで、フランス語の発音向上に役立てることができます。次回はいよいよ最終回、子音だけの発音のポイントについてお話しします。

執筆:Anne

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